シマノ(SHIMANO)の17スコーピオンBFS (Scorpion BFS)は、シマノの人気スタンダードベイト「スコーピオン」シリーズのベイトフィネスモデルだ。
この17スコーピオンBFSには、昨年16アルデバランBFSで話題となったFTB (フィネスチューンブレーキシステム)を搭載。
非常にコストパフォーマンスに優れたモデルながら、本格的なベイトフィネス機として期待の高まる新作となっている。

目次
17 スコーピオンBFS (Scorpion BFS)
低価格ながらFTB搭載で本格派のベイトフィネスリール!

FTB (フィネスチューンブレーキシステム)
17スコーピオンBFS最大の特徴は、16アルデバランBFSや17カルカッタコンクエストBFSなど、シマノのハイエンドベイトフィネスリールにも搭載されている新技術「FTB (フィネスチューンブレーキシステム)」を搭載したことだ。
このFTBは、通常のベイトリールのスプールに付いているブレーキユニットを排除し、スプール自体に直接マグネットブレーキをかけるというシマノ独自の新機構だ。
スプールにブレーキユニットがないため、ベイトフィネスでの生命線となるスプール重量の軽量化に大きく貢献。スプールが低慣性化され、ピッチング性能が向上している。

マグネットながら、遠心ブレーキのような心地よさ!
マグネットブレーキであるFTBのブレーキの効き方は、これまでシマノが得意としてきた遠心ブレーキSVSのフィーリングに極めて近いと評判だ。
また、17スコーピオンBFSのブレーキ力は外部ダイヤルで簡単に調整が可能。ルアーチェンジや向かい風にも、スピーディに細やかな調整で対応することができる。
さらに内部のマグネットは脱着可能。
この辺りも、外部ダイヤル+遠心ブレーキ(SVS)のシューをON/OFFするところと似ているので、遠心ブレーキに慣れ親しんだ方でも、ブレーキ調整に関しては親しみやすいだろう。
17スコーピオンBFSの自重は、予想を遥かに超える軽さ!
気になる17スコーピオンBFSの自重は165g。
私は170g程度と予想していたが、なんと170gを切る軽さを実現してきた。
ちなみに上位機種である16アルデバランBFSの自重は流石の130gと非常に軽く、2017年に17スコーピオンBFSと並んで新登場する17カルカッタコンクエストBFSは自重が200gと少し重め。
▼こちらが16アルデバランBFS
▼こちらが17カルカッタコンクエストBFS
昨年発売された16スコーピオン70/71の自重が190gということを考えると、25gも軽量化されている17スコーピオンBFSの165gは、かなりの軽い!
▼こちらが16スコーピオン70/71
ブレーキシステムの変更により軽量化実現か!?
恐らくだが、17スコーピオンBFSが16スコーピオン70/71よりも軽量化された大きな要因は、ブレーキシステムがNEW SVS∞からFTBに変更されたことではないだろうか。
スプールからブレーキユニットがなくなったことによる軽量化が、全体の自重にも影響しているはずだ。
要するに、NEW SVS∞よりも使うパーツの少なく軽量なスプールを装備するFTBへの変更が、リールの軽量化に寄与しているというわけだ。

17スコーピオンBFS関連のリール別の自重比較
ちなみに、シマノのベイトフィネス機と16スコーピオン70/71の自重を比較してみると下表の通り。
製品名 | 自重 |
---|---|
16アルデバランBFS | 130g |
17スコーピオンBFS | 165g |
16スコーピオン70/71 | 190g |
17カルカッタコンクエストBFS | 200g |

シックな17スコーピオンBFSのボディデザイン
17スコーピオンBFSのボディカラーは、16スコーピオン70/71や17スコーピオンDCと同様に、スコーピオンシリーズを象徴するカラーであるワインレッドを脱ぎ捨てたシックなカラーリングとなっている。
▼こちらが17スコーピオンDC
シルバー系のカラーで、一見するとスコーピオンの名残を感じさせる赤みがかかったシルバー。
しかし、雑誌に掲載されている17スコーピオンBFSを見ると、16メタニウムMGL的なシルバーカラーに見える。
▼こちらが16メタニウムMGL

ソルトのベイトゲームにもオススメ!
17スコーピオンBFSは海水対応モデルだ。
バスフィッシング以外にも、ソルトウォーターでも活躍してくれるリールなので、ソルトでのベイトフィネスを考えているアングラーにとっても期待のモデルだ。

17スコーピオンBFSと16アルデバランBFSの違いは?
次に、17スコーピオンBFSとその上位機種である16アルデバランBFSとの違いを見てみよう。
17スコーピオンBFSと16アルデバランBFSのスペック比較表を作成してみた。
▼下表では、違いのあるところを赤字にしている。
17スコーピオンBFS | 16アルデバランBFS | |
---|---|---|
ギア比 | 6.3、XG:8.2 | 6.5、XG:8.0 |
FTB | ◯ | ◯ |
X-SHIP | ◯ | ◯ |
HAGANEボディ | ◯ | ◯ |
スプールタイプ | BFS (超々ジュラルミン) | BFS (超々ジュラルミン) |
S3Dスプール | ◯ | ◯ |
フレーム素材 | アルミ | マグネシウム |
ドライブギア素材 | 超々ジュラルミン | 超々ジュラルミン |
エキサイティング ドラグサウンド | ◯ | ◯ |
海水対応 | ◯ | ◯ |
自重 | 165g | 130g |
スプール寸 (径/幅) | 32mm/22mm | 32mm/22mm |
フロロ巻糸量 (lb-m) | 8-45 | 8-45 |
最大ドラグ力 (kg) | 3.5 | 3.5 |
ベアリング | 7/1 | 9/1 |
価格 | 35,000円 | 46,000円 |
実売価格 | 2万円後半 | 3万円後半 |
17スコーピオンBFSと16アルデバランBFSの大きな違いは、
- ボディ素材の違い
- 35gの自重差
- ベアリング数
- 約1万円の価格差
となっている。
ボディ素材の違いによる自重の差について
17スコーピオンBFSのボディフレームにはアルミニウムを使用しているが、16アルデバランBFSのボディフレームには軽量なマグネシウムが使われている。
- 17スコーピオンBFS:アルミボディ・165g
- 16アルデバランBFS:マグネシウムボディ・130g
つまり、高価な素材を使ってる16アルデバランBFSは、価格が17スコーピオンBFSよりも高くなっているが、自重は35gも軽くなっている、ということだ。

17スコーピオンBFSのドライブギアについて
17スコーピオンBFSのドライブギアは超高強度真鍮製「超々ジュラルミン製」。
当初、2017年シマノ総合カタログのスペック表(75ページ)には「超高強度真鍮製」との表記があったが、これは残念ながらカタログの誤植だった。
↓カタログの正誤表がシマノのウェブサイトに公開されている。
また、シマノのウェブサイトには、誤植訂正済のベイトリール仕様一覧表も公開されているので、気になる方は確認してみよう。2017年の最新リールは青字で表示されている。
17スコーピオンBFSには、ずっしりとした巻き心地の超高強度真鍮製ドライブギアの採用に期待が掛かったところではあったが、最終的には軽さと感度重視の超々ジュラルミンが採用されたのだろう。
また、超高強度真鍮よりも高価な素材である超々ジュラルミンを採用したことにより、17スコーピオンBFSの価格がスコーピオンシリーズとしては若干高級になったのも、今となっては頷けるところでもある。
さて、「超々ジュラルミン製」のドライブギアは、上位モデルである16アルデバランBFSのドライブギアと同素材だ。
超々ジュラルミン製ドライブギアのメリットと言えば、軽量化とそのギア自重の軽さと、材質硬度からくる巻き感度の向上である。
これにより、軽量ルアーの操作性が良くなり、特にジグやワーミングが快適にこなせるので、まさに17スコーピオンBFSはスタンダードなベイトフィネス機としての役割を存分に発揮できるだろう。
ちなみに、17スコーピオンBFSと16アルデバランBFSは両方ともマイクロモジュールギア非搭載機種なので、巻き心地については双方ともにあまり良くないというのが現実だろう。
しかし、アルミボディを採用している165gの17スコーピオンBFSは、130gの16アルデバランBFSよりも自重が重いため、手元での重心がブレにくく、ちょっと重めのルアーを使う場合や、プラグを巻く場合の安定性は勝っていそうだ。

スプールのスペックは同じ
逆に、17スコーピオンBFSと16アルデバランBFSで同じところを見ていくと、ベイトフィネスリールの核となるスプールのスペックは、スプール径32mm、巻糸量8lb-45mと、両者ともに全く同じとなっている。

ラインナップも同じ
ラインナップに関しても、17スコーピオンBFSと16アルデバランBFS両者ともにノーマルギアとXG:エクストラハイギアのラインナップ。

意外と嬉しいドラグ音も装備
また、意外とポイントなのは、17スコーピオンBFSのドラグも16アルデバランBFSと同じく、音が鳴るエキサイティングドラグサウンドを採用していること。
ファイト時の魚とのやり取りがしやすく、爽快に響くドラグ音が心地良い!

ベイトフィネスの核はほぼ同じ
このように見ていくと、17スコーピオンBFSと16アルデバランBFSの大きな違いはボディ素材から来る自重の差異と、価格程度だろう。
高級素材を使っている16アルデバランBFSのほうが、当然軽く、そして高価となる。
しかし、それ以外の面では大きな違いはない。
むしろ、キャスティング性能の面から見るとベイトフィネスの核となる機能はほとんど同じだ。

17スコーピオンBFS (Scorpion BFS)のスペック
17スコーピオンBFSは、ファーストラインナップからXG(エクストラハイギア)に加えてノーマルギアも発売される。
- エクストラハイギア:ギア比8.2、巻取長82cm
- ノーマルギア:ギア比6.3、巻取長63cm
ベイトフィネス定番のワーミングだけでなく、ベイトフィネスでのプラッギングも楽しみたい!という方にも嬉しい、スタンダード機ならではの対応幅の広いラインナップとなっている。
製品名 | ギア比 | 自重 (g) | 最大 ドラグ力 (kg) | 最大 巻取長 (cm) | フロロ 巻糸量 (lb-m) | ハンドル (mm) | ベア リング | 価格 (円) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Scorpion BFS RIGHT | 6.3 | 165 | 3.5 | 63 | 8-45 | 42 | 7/1 | 35,000 |
Scorpion BFS LEFT | 6.3 | 165 | 3.5 | 63 | 8-45 | 42 | 7/1 | 35,000 |
Scorpion BFS XG RIGHT | 8.2 | 165 | 3.5 | 82 | 8-45 | 42 | 7/1 | 35,000 |
Scorpion BFS XG LEFT | 8.2 | 165 | 3.5 | 82 | 8-45 | 42 | 7/1 | 35,000 |
技術特性
- X-SHIP:高負荷時でも力強い巻き上げを可能にするギアシステム
- HAGANEボディ
- S3Dスプール:安定したキャスト性能を実現する低振動スプール
- FTB
- エキサイティングドラグサウンド
- S A-RB
- スーパーフリースプール
- 海水OK
17スコーピオンBFSの発売日と最安値
17スコーピオンBFSの発売日は2017年5月発売予定だ。
シマノのベイトリールの場合、多くは右巻きか左巻きかによって発売時期が異なるものだが、17スコーピオンBFSに関しては右巻き・左巻き、またノーマルギア・エクストラハイギアに関わらず、全モデルが2017年5月の発売予定となっている。
すでに発売開始!
17スコーピオンBFSは、すでに販売が開始されている。
私が確認したところでは、最安ショップは税抜24,500円〜販売されていた。
17スコーピオンBFSの定価は35,000円だが、実売価格は今のところ2万円後半くらいとなっているようだ。
この価格帯でこれまでご紹介してきたような性能を搭載しているとなると、17スコーピオンBFSは非常にコストパフォーマンスに優れた、素晴らしいベイトフィネスリールということは間違いないだろう。

まとめ
2017年のシマノ(SHIMANO)の新作ベイトリール「17スコーピオンBFS (Scorpion BFS)」は、FTB(フィネスチューンブレーキシステム)を搭載したシマノの人気スタンダードベイト「スコーピオン」シリーズのベイトフィネスモデル。
核となる機能は申し分なく、非常にコスパに優れたモデルながら、本格的なベイトフィネス機として期待の高まる新作だ。
今年は、先日ご紹介した17カルカッタコンクエストBFSも登場し、16アルデバランBFSと17スコーピオンBFSを合わせてシマノのベイトフィネスリールは合計3機種を数えることとなった。
- ハイエンドモデルの16アルデバランBFS
- プラッギングに優れた17カルカッタコンクエストBFS
- コスパに優れたスタンダードモデルの17スコーピオンBFS
ベイトフィネスリールのラインナップが様々なアングラーに対応し、これからますますベイトフィネスが楽しくなりそうだ。
特に、17スコーピオンBFSはシマノのBFSシリーズ中では最も低価格のモデルでありつつも、ベイトフィネスゲームを快適に楽しむには十分な性能を持っているので、ベイトフィネスを低価格で導入してみたい方には打って付けのリールとなるだろう。
16アルデバランBFSから続々とベイトフィネス新機種が投入され、シマノの技術ベイトフィネス技術の成熟を感じることができる。
この成熟してきた技術を搭載しているからこそ、17スコーピオンBFSは安定感のあるリールに仕上がっていることだろう。

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