初夏のバス釣りは、活性の高いバスが一年で最も多くなる季節。
春のバス釣りでは、体力のあるデカバスが先に動くこともあり、釣れれば大きいが、数は少ない状況でした。
それが初夏になると、デカバスだけでなく、個体数の多い小バスも活発に動くようになるため、どんな釣り方をしていても、バスが釣れる確率が非常に高い季節となってきます。
そんな楽しい季節であるはずの初夏のバス釣りですが、近年はプレッシャーも高く、フィールドによっては、なかなかバスが釣れないことも多くあります。
バスは非常に賢い魚ですから、いつもと同じ釣り方や、他の人と同じ釣り方は、簡単に見切られてしまいます。
そこで、本記事では、初夏のバス釣りの基礎を押さえつつ、最新のバス釣りの理論やテクニックを盛り込み、ハイプレッシャー化する日本のフィールで初夏のバスを釣るための攻略法を解説。
さらに、初夏のバス釣りでおすすめのルアーとその使い方を解説していきます。
初夏のバス釣りを楽しみたい方は必見です。
タップできる目次
初夏のバス釣り
初夏のバス釣りでまず押さえておきたいポイントは、バスがまだスポーニングを引きずっているということです。
特に、プレッシャーの高い日本のフィールドでは、年々バスのスポーニング時期が遅れてきていると言われています。
人間の暦では春が終わった5〜6月の初夏と言えども、水の中では、まだスポーニング真っ只中(ミッド)のバスもいます。
さらに、5〜6月はスポーニングが終わって回復期にあるバスや、回復期も終わって活発に動き回る個体もおり、フィールド内に様々な状況のバスが混在した状況になります。
そこで、自分の狙うバスの状況が、どの状況にあるバスなのかを明確にしておく必要があります。
そして、その時々に狙うバスによって、アプローチの方法をしっかりと切り替えていくことで、どこかでハマる釣り方に出会えるはずです。
ここからは、初夏のバス釣りで有効な釣り方をいくつか紹介していきます。
それぞれの釣り方に、初夏のどんな状況のバスを、どのような理由からどのように狙っていくかまで解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
初夏のトップウォーター
初夏のバス釣りでは、トップウォーターかなり便利な釣り方となります。
その理由は、ミッド〜アフターのどのバスにも効くからです。
それぞれの状況について解説していきます。
ミッドスポーン狙いのトップウォーター
まず、ミッドスポーンのバスの場合は、基本的に体力がないため、横に大きく動くルアーには反応しきれません。
そこで、ボトム放置系や、トップ放置系で食わせるのが基本です。
なので、ポッパーや羽根モノルアーでワンアクションしてロングポース、というアクションが効果的です。
また、ルアーサイズは、大きめが良いです。
その理由は、ネストを守っていて体力が弱っているバスにとって、小さな獲物をチマチマ捕食するよりも、鈍くて大きな獲物を食べたほうが効率的だからです。
アフター狙いのトップウォーターはしつこく狙う
アフターの季節は、初夏特有の梅雨などで雨が降ることが多くあります。
雨が降るとバスの目線は上を向くので、水面でバスを騙すトップウォーターの釣りは威力を増してきます。
オープンウォーターや岸沿い、ストラクチャー周りなら、ポッパーやスイッシャー、ノイジー、羽根モノなど。
ベジテーションなら、定番のフロッグが効きます。
広範囲を手っ取り早く釣りたいときは、バズベイトが最適です。
アフターのバスは、ストラクチャーについてじっと休んでいることが多いので、例えば杭の近くや、護岸沿い、立木などをタイトに通してあげると良いです。
コツとしては、1回で出なくても、何度もアクションやスピードを変えてアプローチしていくことです。
アフターで回復しきっていないバスは、意外と速いテンポよりも、ゆっくりした動きに反応することが多々あります。
逆に、回復してきて活発なバスや、バスにスイッチが入った状況では、速めのアクションが良いときもあります。
なので、いろいろ試してみて、その時々のバスの状況に対応してきます。
条件の良いポイントは、アクションを変えてしつこくルアーを通してみるのがコツです。
初夏の提灯釣り
また、この季節は大きめの虫ルアーや、フロッグを、アシや枝に引っ掛けた提灯釣りも有効。
提灯釣りは基本的に1点でネチネチ誘うので、ネスト近くのミッドのバスにも、アフターのバスにも効きます。
通常のトップでは反応しない時は試しておきたい釣りです。
初夏のエビパターン
初夏、特に6月は、バスのベイトとなるテナガエビやスジエビも活発になるシーズンです。
この時期になると、バスはほぼアフターに移行してきており、体力が回復してきたバスがボトムや岸沿いのエビを活発に追うようになります。
エビのいるフィールドでは欠かせない釣り方で、シュリンプワームやクローワームのテキサスやキャロがよく効きます。
時間帯的には、テナガエビは夕方〜夜にかけて活発に動き回る性質があるので、夕マズメには特にエビを意識した釣りはよく釣れます。
初夏のバックスライドワーム
日中はバスがカバーに入ることが多いので、バックスライドワームでカバーの奥に潜り込ませる釣りも有効。
バックスライド系は、奥の壁に何度もぶつかる様子がエビの動きに似ているので、エビを捕食しているバスがよく釣れます。
上述のトップでバスが反応しない時は、バスがあまり表層を意識していないことが多いので、このようなバックスライド系を落とし込んで釣れることがよくあります。
初夏のロングワーム
アフターのバスに異様に効くことがあるのがロングワームです。
どんなルアーを投げても食い切らないバスが、ロングワームを見た途端に目の色を変えて飛んできて、躊躇なくバイトしてきます。
体力のないアフターのバスは、できるだけ栄養価の高い大きな獲物を、簡単に捕食したいと本能的に感じているからだと思います。
以前は、この釣り方はメチャクチャ釣れたのですが、最近では見切られることも多くなってきています。
なので、できるだけバスが見慣れていない新しいロングワームを投げたほうが良いかもしれません。
初夏の野池でのバス釣り
様々な状況のバスが混ざり合う大規模フィールドとは違い、規模の小さな野池の場合、バスのばらつきは少なめです。
なので、野池ではその時のバスの状況がわかってくると連発しやすいです。
初夏の野池でも、狙い方は上述した釣り方と変わりません。
トップウォーター、エビパターン、提灯釣り、ロングワーム、どれも効きます。
なので、この中から、どの釣りに最も反応するかを探していけば良いです。
初夏の雨
初夏といえば、ちょうど梅雨の季節と重なります。
近年は、ゲリラ豪雨もあったりと、しとしと降り続く典型的な梅雨らしさはなくなりつつありますが、それでも雨の多くなる季節であることに変わりはありません。
初夏の雨は、バスにも影響を与えます。
初夏の雨によるバスの目線の変化
まず1つ目は、雨が降るとバスは水面を意識しやすいということです。
なので、初夏に雨が降った時は、トップウォーターはもちろんですが、どんなルアーを使うにしても、バスの目線の上を通す意識が大切です。
ボトムよりも、表層系がよく効きます。
初夏の雨による増水
もう一つ初夏によくあるのが、雨による増水です。
初夏に増水したときは、バスがシャローに高確率で上がってきます。
通常水位では入れないような浅い場所にも入ってくるようになるので、シャローはかなり狙い目になります。
初夏のバス釣り「おすすめルアー」
初夏のバス釣りの攻略法を押さえたところで、初夏におすすめのハードルアーを紹介していきます。
初夏におすすめのハードルアーは、トップウォーター系を中心に羽根モノ、フロッグなどです。
特に、これまで紹介してきたように、アフターのバスには移動距離が少なく出来るタイプが最適。
それぞれおすすめのハードルアーを紹介します。
OSP ラウダー
OSPのラウダーは、誰でも簡単にポップ音とスプラッシュを発することのできるハイアピールポッパー。
初心者でも扱いやすく、アピール力が強いのでバスを引っ張ってくる力の強いルアーです。
初夏では、ポップ音を出した後にロングステイさせて使うのが良いです。
レイドジャパン ダッジ
レイドジャパンのダッジは、ビッグクロウラーベイトならではの存在感で、バスにしっかりと気づかせることができつつも、フィネス的に使える羽根モノルアーです。
超低速でリトリーブしても、金属音を艶かしく立てながらハイピッチロールしてくれるので、速い動きを追いきれない初夏のバスには最適です。
ディスタイル レゼルブ
ディスタイルのレゼルブは、小型でスピニングタックルでも扱える羽根モノルアーです。
移動距離を小さくできるので、ほぼ1点でピクピク誘えるのも、初夏にはかなり大きなメリットとなります。
また、アフターの回復してきたバスに対しても、岸沿いをパタパタと引いて誘うことが出来ます。
幅広い使い方ができるので、この季節には特に活躍するルアーです。
ジャッカル ポンパドール
ジャッカルのポンパドールは、コロンとかわいい外見とは裏腹に、力強い水押しのクロールアクションでバスに高アピールできる羽根モノルアーです。
テール部分にプロップが付いているのも特徴で、羽根だけでなくプロップのスプラッシュも加わった艶めかしいアクションを出すことが出来ます。
アピール力が強めなので、少ない移動距離で大きくアピールできるところが初夏のバスには最適です。
ジャッカル カエラ
ジャッカルのカエラは、場所を選ばず使えて、アクションもさせやすく、初心者でも扱いやすい万能タイプのフロッグです。
スナッグレス性が高いので、ベジテーションの上を通すのはもちろん、ストラクチャー周りをドッグウォークさせることもできるので、初夏のアフターのバスにアプローチしやすいフロッグです。
初夏のバス釣り「おすすめワーム」
ここからは、初夏のバス釣りでおすすめのワームを紹介していきます。
初夏のバス釣りでは、エビパターンのシュリンプやクロー系ワーム、ロングワームがよく効きます。
それぞれおすすめのワームをご紹介していきます。
ボトムアップ ハリースライド
ボトムアップのハリースライドは、初夏のエビパターンに最適のバックスライド系クローワームです。
大きな特徴は、2本の長いツメがバックスライドフォール中にパタパタと艶かしく動いてバスを誘うところです。
通常のバックスライドワームは水の抵抗を減らすため、パタつくギミックはあまり付いていませんが、このハリースライドは、少ない水の抵抗でもしっかりとしたパタパタアクションを出せるようになっています。
通常のバックスライド系で反応がないバスでも食わせる力を持ったワームです。
ノーシンカーのバックスライドセッティングが最適ですが、すり抜けが良いのでテキサスとの相性も良いです。
ジャッカル RVドリフトクロー
ジャッカルのRVドリフトクローは、フォールスピードの遅さにこだわりを持って作られたバックスライド系ワームです。
アフターで回復中のバスは、早い動きのものには反応しにくく、できるだけ遅いアクションが効果的です。
なので、フォールスピードをおさえて、短い距離でもゆっくり落とし込みながら狙えるRVドリフトクローは初夏に最適なワームとなります。
基本的にはノーシンカーのバックスライドセッティングで使いますが、状況によってはネイルシンカーを入れたり、テキサスで使うことも出来ます。
ボトムアップ ハリーシュリンプ
ボトムアップのハリーシュリンプは、ハイプレッシャー化したフィールドに対応できるナチュラルな微振動アクションが特徴のシュリンプワームです。
近年は強波動や力強い水押しのワームが多くありましたが、このような強いワームにバスもなかなか反応しなくなってきています。
ハリーシュリンプは、ビリビリという細かくて高速の振動アクションで、スレたバスにもスイッチを入れてくれます。
また、シルエットもエビそっくりのリアルなフォルムになっているので、バスの警戒心も少なくさせることが出来ます。
テキサスやダウンショット、ネコリグなど幅広い使い方が可能です。
レイドジャパン オカエビ
レイドジャパンのオカエビは、古くからあるワームではありますが、今でもよく釣れる名アイテムです。
一口サイズながら、ボディ自体にはボリュームがあるのでしっかりと飛び、パーツとなるアームやレッグは細かく繊細なアクションを起こします。
この繊細さ故に、長く釣れ続けているように思います。
ベイトサイズが小さいときなど、よりサイズを小さくして食わせたい時に使いたいワームです。
O.S.P MMZ デカ
O.S.PのMMZデカは、アフターのバスによく効くロングワームパターンでおすすめのワームです。
最大の特徴は、よくある真っ直ぐなストレートワームとは違い、あらかじめクネクネと曲げられたフォルム。
このフォルムが、バスに記憶されにくく、さらにドバミミズそのもののようなリアルな外見との相乗効果でバスの捕食スイッチを入れてくれます。
ノーシンカーワッキーや、ダウンショットで使ったり、マスバリでチョン掛けして、ワームの曲がりの反復力を利用したアクションも効果的です。
ジャッカル ロングエム
ジャッカルのロングエムは、16インチ(約40cm)というアピール力抜群の長さに、鉛筆ほどの細さという繊細さを兼ね備えたロングストレートワームです。
長さ故に、遠目から見ると存在感が抜群ですが、近くで見ると、細いボディが生命感溢れるアクションでバスを誘います。
ノーシンカー、ワッキー、ネコリグなど幅広い使い方も可能です。
初夏のバス釣り:まとめ
以上、初夏のバス釣りの攻略法とおすすめルアーについてまとめてきました。
初夏という季節は、フィールド内に様々な状況のバスが混在しているため、自分がどの状況のバスを狙うのかによって釣りを切り替えていくと釣果に繋がりやすくなります。
また、初夏特有の雨も多くなる季節です。
雨が降った場合は、トップでの釣りや、増水したシャローが狙い目となってきます。
プレッシャーの高いフィールドでは一筋縄には行かないことも多くありますが、初夏は基本的にバスの活性が高い季節なので、ある程度季節に合った釣りをしていれば釣れる確率はかなり高いです。
本記事のポイントをおさえて、ぜひ初夏のバス釣りを楽しんでみてください。