「17アルテグラ」は16ナスキーよりもかなりタフなリール!ワンランク上の巻き心地を1万円から体験しよう!

シマノ(SHIMANO)
シマノ(SHIMANO) 17アルテグラ

シマノ(SHIMANO)の17アルテグラ(ULTEGRA)は、旧モデルの12アルテグラから、実に5年ぶりのフルリニューアルとなるスピニングリールです。

1万円前後の価格にミドルクラスの優れた機能を搭載し、シマノのスタンダードモデルとして不動の人気を誇るアルテグラ。

この新しい17アルテグラは、旧モデルから立ち位置を大きく変えての登場となります。

今回は、シマノ2017年新作スピニングリール「17アルテグラ」ついて、その変化の詳細や特徴などを詳しくご紹介していこうと思います。

17 アルテグラ (ULTEGRA)

シマノ(SHIMANO) 17アルテグラ
シマノ(SHIMANO)
シマノ(SHIMANO) 17アルテグラ

ラインナップのカテゴリーを変えた17アルテグラ。

新モデル17アルテグラはコアソリッド。

17アルテグラはコアソリッドシリーズに
ULTEGRA – CORESOLID SERIES

今回登場した17アルテグラは、旧モデル最大の特徴でもあったCI4+製マグナムライトローターを脱ぎ捨て、剛性&滑らかな巻き心地重視するモデルへと変化を遂げました。

そして、そのカテゴリーは、ステラを頂きとするコアソリッドシリーズに組み込まれることとなりました。

17アルテグラは、旧アルテグラからその立ち位置を大きく変えてしまったのです。

旧モデル12アルテグラはクイックレスポンス

シマノ(SHIMANO) 12アルテグラ
シマノ(SHIMANO)
シマノ(SHIMANO) 12アルテグラ

ちなみに、旧モデルの12アルテグラは、シマノが誇る超軽量カーボン素材CI4+のマグナムライトローターを搭載し、軽快な巻き心地とレスポンスに優れたモデルでした。

そして、そのカテゴリーは、頂点をヴァンキッシュとするクイックレスポンスシリーズにラインナップされていました。

HAGANEギア搭載で、なめらかで心地の良い巻きを実現!

HAGANEギア搭載で、高次元の巻き心地を実現!
HAGANEギア

17アルテグラは、シマノの誇る高品質テクノロジーHAGANEギアをシリーズ初採用。

旧モデル12アルテグラに搭載されていた亜鉛ダイキャスト製のドライブギアから大きな進化を遂げています。

このHAGANEギアは、シマノが得意とする独自技術の精密冷間鍛造で、切削なしにミクロン単位の高精度で仕上げられたドライブギアです。

高精度かつ強靭な超々ジュラルミン製のドライブギアは、旧モデルとは一線を画す、高次元でなめらかな巻き心地を実現しています。

引き続きX-SHIPも採用。軽快なリーリングを約束。

このHAGANEギアに加えて、17アルテグラは旧モデルに引き続きX-SHIPも採用。

  • ドライブギアの大径化
  • ピニオン&ドライブ両ギアの最適配置
  • ピニオンギアのべアリングによる2点サポート

という頑強なギアの組み合わせで、負荷に強い軽快なリーリングを保持してくれます。

安心の防水構造コアプロテクトで耐久性抜群!

安心の防水構造コアプロテクトで耐久性抜群!
COREPROTECT (コアプロテクト)

17アルテグラは、シマノ独自の防水構造コアプロテクトをボディとラインローラー部に初採用。

コアプロテクトは、撥水効果を利用することで水の侵入を防ぎ、回転抵抗を増やさずに優れた防水効果を実現した機構です。

このコアプロテクトの採用により、旧モデルから飛躍的に耐久性を増した17アルテグラは、タフなソルトシーンでも活躍してくれるモデルとなりました。

また、ボディ・ラインローラー部の塩ガミに対する耐久性が増すことで、リールの本来の滑らかな回転性能が長続きします。

こうして17アルテグラは、長く愛用できるリールとなっています。

体感自重を軽くし、タックルバランスを向上させるGフリーボディ採用!

体感自重を軽くし、タックルバランスを向上させるGフリーボディ採用!
G FREE BODY (Gフリーボディ)

17アルテグラは、体感での自重を軽くする効果のあるGフリーボディも初採用しています。

このGフリーボディは、リールの重心を手元に近づけることでロッドとの一体感が向上。

リール自体の自重は変わらずとも、体感的な自重を軽くする構造です。

これにより、長時間に及ぶキャストでの疲労を軽減し、ロッドの操作性も向上させてくれるのです。

ただし、17アルテグラの自重は増加

実は、17アルテグラの自重は、旧モデルの12アルテグラから比較して5〜20g程度重くなっています。

これは、超軽量カーボン素材CI4+のマグナムライトローターを採用していないことや、しっとりとした巻き心地重視のコアソリッドシリーズにラインナップされたことで、軽さよりも剛性を優先させた結果でしょう。

しかし、17アルテグラは旧モデルに採用されていなかったGフリーボディを新採用したことで、体感的な軽さはそれほどまでに重くなったとは感じないはずです。

17アルテグラは12アルテグラとどう変わったのか?

17アルテグラが進化したポイント

17アルテグラが旧モデル12アルテグラから進化(変化)したポイントをまとめみると、下記の通りになります。

  1. クイックレスポンスシリーズからコアソリッドシリーズに変化
  2. ドライブギアが亜鉛ダイキャストから超々ジュラルミン製HAGANEギアに進化
  3. 防水構造コアプロテクトを初搭載
  4. 体感自重を軽くするGフリーボディを初採用

逆に、劣ってしまったポイントもある。

進化とは逆に、17アルテグラになって劣ってしまったポイントもあります。

  1. CI4+製マグナムライトローター非採用
  2. 自重が5〜20g程度増加

17アルテグラは、クイックレスポンスシリーズからコアソリッドシリーズに変化したことで、リールとして目指す方向性が変わり、軽量化よりもタフさ、巻き心地を重視。

その結果、軽さと高レスポンス性に劣ってしまうことになりました。

しかし、総合すれば、17アルテグラはこの価格帯としては素晴らしい耐久性と巻き心地を実現しており、コスパの良さは相変わらず素晴らしいといえるでしょう。

17アルテグラVS16ナスキーどちらが買いなのか?

16ナスキーに似てしまった17アルテグラ。

さて、ここまでご紹介してきた17アルテグラの新機能ですが、実は、ほとんどその全てを昨年登場した16ナスキーが搭載しています。

▼こちらが16ナスキー

16ナスキーは、17アルテグラの下位機種であり、実売価格ではおおよそ2〜5千円程度安いです。

「だったら、16ナスキーの方がコスパもいいし、買いじゃないか。」

と多くのアングラーが思うのではないでしょうか。

しかし、17アルテグラにも優れた点は多くあります。

17アルテグラと16ナスキーのスペック比較

ここでは、両モデルを比較しながら17アルテグラの良さを見ていきましょう。

製品名17アルテグラ16ナスキー
HAGANEギア◯(超々ジュラルミン)◯(超々ジュラルミン)
X-SHIP
コアプロテクト◯(ボディ&ローター)◯(ボディのみ)
Gフリーボディ
ボディ材質高強度樹脂高強度樹脂
ローター材質高強度樹脂高強度樹脂
ピニオンギア材質超高強度真鍮超高強度真鍮
ハンドル取付タイプネジ込式キャップ固定式
ウォータープルーフ
ドラグ
ウォームシャフト
オシュレーション
ベアリング
(ボール/ローラー)
5/14/1
S A-RB
(防錆ベアリング)
価格15,800〜20,000円10,900〜13,500円
実売価格1万円〜1万円半ば8千円〜1万円程度

耐久性・タフさに違いあり!

ラインローラーのコアプロテクトは結構大きい

まず、両者の大きな違いは、ラインローラーのコアプロテクトの有無です。

つまり、

  • 16ナスキー:コアプロテクトはボディだけ
  • 17アルテグラ:コアプロテクトはボディとラインローラーの両方

であるということです。

ステラ、ヴァンキッシュ、ツインパワーなど、上位機種は全て採用しているラインローラーのコアプロテクト。

ライントラブルや巻き心地の良し悪しに直結するため、長く使えば使うほど、ここにコアプロテクトが有るのと無いのとでは大きな違いが出てくるはずです。

防錆ベアリングも多い17アルテグラ

また、防錆ベアリングの数にも違いが見られます。

  • 17アルテグラ:防錆ベアリングS A-RB1つを含む、計6個のベアリング(ボディ5+ローラー1)
  • 16ナスキー:防錆ベアリングS A-RB無し。計5個のベアリング(ボディ4+ローラー1)

ベアリング数1つの差ではあるものの、耐久性の面で17アルテグラは16ナスキーに優れていることがわかります。

ハンドル取付タイプが、ネジ込式とキャップ固定式の違い

もう一つの大きな違いは、ハンドル取付タイプの違いです。

  • 16ナスキー:キャップ固定式
  • 17アルテグラ:ネジ込式

これは、かなり大きいと思います。

ネジ込式とキャップ固定式の違いをおさらい

ここで、ネジ込式とキャップ固定式の違いをおさらいしておきましょう。

ネジ込式は、ハンドルをネジ加工されたドライブギアに直接止めて固定するタイプです。

力を無駄なく直接ギアに伝え、ハンドルの遊びやブレ、ガタつきが少ないのが特徴です。

一方、キャップ固定式は、ドライブギアに開けた穴の中にハンドルのシャフトを通し、逆側のキャップでシャフトを固定するタイプです。

キャップ固定式はドライブギアとハンドルが直接止まっていないので、長く使っているとガタつきが出やすく、巻き感度が悪くなりやすいのが特徴です。

タイプネジ込式キャップ固定式
止め方ネジ加工されたドライブギアに、
ハンドルを直接止める
ドライブギアの穴にハンドルシャフトを通し、
逆側のキャップでシャフトを固定
特徴力を無駄なく直接ギアに伝える
ハンドルの遊びやブレ、ガタつきが少ない
 長く使っているとガタつきが出やすい
巻き感度が悪くなりやすい

巻き感が良く、剛性も耐久性も強いネジ込式

このように、キャップ固定式に対して、ネジ込式は圧倒的に巻き感が良く、剛性も耐久性も強いです。

もしかすると、この決定的な違いが17アルテグラをコアソリッドシリーズにラインナップする一方で、ほぼ同じ性能を持つ16ナスキーを同シリーズに入れなかった理由なのかもしれません。

自重も軽い17アルテグラ

自重に関しては、番手ごとに異なるので比較表では省略していますが、17アルテグラの方が16ナスキーよりもだいたい10〜15g程度軽くなっています。

この軽さという面からも、17アルテグラにはメリットがあることがわかります。

2〜5千円の差をどう捉えるか

さて、このように見ていくと、17アルテグラと16ナスキーは、意外と耐久性と巻き心地に差がありそうです。

確かに、昨年の16ナスキーのデビューが鮮烈すぎて、一見すると目新しさのない17アルテグラの良さは埋もれがちで、16ナスキーで十分じゃないかと思ってしまいがちです。

しかし、番手によっては実売の価格差が2千円程度しかなく、その価格差でこれまでご紹介したようなタフさと巻き心地の良さを体感できるとなると、これはお買い得だなと私は思います。

特に、タフさが要求される環境でガンガン釣りをしたいというアングラーにとっては、17アルテグラの方が長い目で見れば耐久性があって安心して使えるはずです。

逆に、そんなに過酷な釣りはしない、釣りに行く回数も少ない、とにかく価格重視、というアングラーにとっては、価格の安い16ナスキーで十分でしょう。

もちろん、16ナスキーもコスパに優れた素晴らしいリールだからです。

どちらを選ぶかは、どんな釣りをしたいかという、アングラーの考え方次第かなと思います。

17アルテグラ(ULTEGRA)のスペック

製品名ギア比自重
(g)
ドラグ力
実用/最大
(kg)
最大
巻取長
(cm)
フロロ
糸巻量
(lb-m)
PE
糸巻量
(号-m)
ハンドル
(mm)
ベア
リング
価格
10005.02002.0/3.0661.5号-120
2号-85
2.5号-70
0.8-240
1-190
401/4/115,800円
C2000S5.02052.0/3.0663-110
4-85
5-65
0.6-150
0.8-110
1-80
401/4/115,800円
C2000HGS6.02052.0/3.0793-110
4-85
5-65
0.6-150
0.8-110
1-80
451/4/115,800円
25005.02403.5/9.0732号-140
2.5号-125
3号-100
1-320
1.2-220
1.5-160
551/4/116,800円
2500S5.02402.5/4.0734-130
5-100
6-80
0.6-200
0.8-150
1-110
551/4/116,800円
2500HGS6.02402.5/4.0884-130
5-100
6-80
0.6-200
0.8-150
1-110
551/4/116,800円
C30005.02403.5/9.0732.5号-160
3号-130
4号-100
1-400
1.5-270
2-180
551/4/116,800円
C3000HG6.02403.5/9.0772.5号-160
3号-130
4号-100
1-400
1.5-270
2-180
551/4/116,800円
3000XG6.22503.5/9.0912.5号-160
3号-130
4号-100
1-400
1.5-270
2-180
551/4/119,000円
40004.82856.0/11.0773号-190
4号-145
5号-115
1-500
1.5-320
2-210
551/4/119,000円
4000XG6.22856.0/11.0993号-190
4号-145
5号-115
1-500
1.5-320
2-210
551/4/119,000円
C5000XG6.22856.0/11.01054号-170
5号-135
6号-115
1.5-370
2-320
3-190
551/4/120,000円

技術特性

  • HAGANEギア
  • X-SHIP
  • コアプロテクト
  • Gフリーボディ
  • AR-Cスプール
  • S A-RB
  • 海水OK

17アルテグラの発売日と価格

17アルテグラの発売日は2017年2月発売となっています。

すでに販売開始!

シマノ(SHIMANO) 17アルテグラ
シマノ(SHIMANO)
シマノ(SHIMANO) 17アルテグラ

17アルテグラは、すでに販売が開始されています。

執筆時に価格を確認したところでは、1000番のモデルがアマゾンで税込11,494円〜販売されていました。

おおよその実売価格は、安いモデルで1万円前後、高いモデルでも1万円半ばくらいです。

価格の安いショップは先に完売してしまうので、気になる方はお早めに。

まとめ

シマノ(SHIMANO)の2017年新作スピニングリール「17アルテグラ(ULTEGRA)」は、シマノの誇るHAGANEギアやコアプロテクトなどを新採用し、旧モデルとは一線を画す耐久性と、高次元でなめらかな巻き心地を実現したスピニングリールです。

クイックレスポンスシリーズからコアソリッドシリーズに立ち位置を変え、低価格なコスパモデルながら、タフなソルトシーンでも安心して使えるモデルとなっています。

水没の恐れがあるウェーディングや、過酷な磯の釣りで使うための一台として、また初心者がエントリーモデルからのステップアップとして使うにも最適なモデルです。

▼リール特集も必見!