シマノ(SHIMANO)の17スコーピオンDC (Scorpion DC)は、2011年に発売されたスコーピオンシリーズ初のDC搭載ベイトリール「11スコーピオンDC」がフルモデルチェンジした期待の最新リールです。
実に6年ぶりのモデルチェンジとなる17スコーピオンDC。
最新のDC (デジタルコントロールブレーキ)システムであるI-DC5や、X-SHIP、S3Dスプールなど、シマノの最新技術を搭載して性能が格段にアップしています。
今回は、シマノの2017年新作ベイトリール「17スコーピオンDC」を詳しく紹介しつつ、その魅力に迫りたいと思います。
タップできる目次
17スコーピオンDC (Scorpion DC)の特徴
17スコーピオンDCは飛距離性能が抜群!最新のI-DC5を搭載!
17スコーピオンDC最大の特徴は、最新のDC (デジタルコントロールブレーキ)システムであるI-DC5を搭載していることです。
このI-DC5は、上位機種15メタニウムDCにも搭載されている高品質なDCです。
11スコーピオンDCのDCは廉価版だった。
旧モデル11スコーピオンDCにも搭載されていたDC。
▼こちらが旧モデル11スコーピオンDC。
しかし旧スコーピオンDCに搭載されていたDCはI-DC+という、簡単に言えば廉価版のDCでした。
このI-DC+はブレーキコントロールも3つの外部ダイヤルだけで調節する設計となっていたため、ブレーキ力の微調整をするのが苦手でした。
また、DC特有の心地いいDC音が鳴らず、音の面でも不満の残る仕様となっていました。
とはいえ、このI-DC+は、逆に細かな設定のいらないシンプルさのおかげで、扱いやすさというメリットがあったのも事実です。
15メタニウムDCと同じ最新のDC搭載
それに対して、17スコーピオンDCに搭載されたのは、15メタニウムDCと同じ最新のI-DC5。
I-DC5は、旧I-DC+にもあった3つの内部ダイヤルに加えて、5つの外部ダイヤルでブレーキコントロールをすることが可能になりました。
これによって、サイドプレートを外さずに外部ダイヤルのみで素早くブレーキ調整をが出来るようになり、かなり使い勝手が良いリールへと進化したのです。
また、17スコーピオンDCのI-DC5は、デジタルコントロールブレーキ特有の心地良いDC音も鳴るようになりました。
用途別、I-DC5の設定方法。
17スコーピオンDCに搭載されたI-DC5の設定方法について、用途別に見ていきましょう。
17スコーピオンDCの内部ダイヤル
17スコーピオンDCの内部ダイヤルは、F(フロロ)・N(ナイロン)・PEと、ラインの種類に合わせて3つの設定が可能となっています。
- F(フロロ)
- N(ナイロン)
- PE
17スコーピオンDCの外部ダイヤル
17スコーピオンDCの内部ダイヤルは、1〜4の数字によるセミオートと、オートの合計5つの設定が可能です。
ダイヤル | 適正ウエイト | 用途 |
---|---|---|
1 | 18~30gの重いルアー | 空気抵抗の小さい大型バイブレーションやジグなど |
2 | 10~20gのルアー | 中型バイブレーションやスピナーベイトなど |
3 | 8~12gのルアー | 空気抵抗が大きいミノーやシャロークランクなど |
4 | 5~8gの軽量ルアー | ノーシンカーワームや小型シャッドなど |
AUTO | 上記のボリューム2~4の半ばまでカバーするワイドなポジション |
合計15通りの細かいブレーキ設定が可能。
このように17スコーピオンDCは、3種類の内部ダイヤルと5種類の外部ダイヤル、合計3×5=15通りのブレーキセッティングが可能となっています。
この最新のI-DC5のおかげで、向かい風やスキッピング時の失速をDCが感知し、瞬間的にブレーキ制御を行い、バックラッシュを防いでくれます。
ダイヤルだけのとっても簡単なセッティングで、バックラッシュに悩まされず、安定した飛距離で釣りを楽しむことができるのです。
17スコーピオンDCのボディデザイン
17スコーピオンDCは、スコーピオンシリーズの伝統色であるワインレッドカラーではなく、昨年登場した16スコーピオン70/71と同じように、カッコ良いブラックカラーとなっています。
▼こちらが16スコーピオン70/71
ボディには、アルミニウムフレームの剛性感溢れるHAGANEボディを採用しています。
ソルトのベイトゲームにもオススメ!
17スコーピオンDCは海水対応モデル。
精密なDCを搭載しつつも、耐久性に優れたベイトリールとなっています。
バスフィッシング以外にも、ソルトウォーターでも活躍してくれるリールです。
17スコーピオンDCと15メタニウムDCの違いは?
17スコーピオンDCとその上位機種である15メタニウムDCの違いはどのようなものでしょうか?
▼コチラが15メタニウムDC
17スコーピオンDC vs 15メタニウムDC(スペック比較表)
17スコーピオンDCと15メタニウムDCのスペック比較表を作ってみました。
17スコーピオンDC | 15メタニウムDC | |
---|---|---|
ギア比 | 6.3、HG:7.2 | 6.2、HG:7.4、XG:8.5 |
ブレーキタイプ | I-DC5 | I-DC5 |
マイクロ モジュールギア | ☓ | ◯ |
ドライブギア 材質 | 超高強度真鍮 | 超々ジュラルミン |
フレーム材質 | アルミ | マグネシウム |
X-SHIP | ◯ | ◯ |
S3Dスプール | ◯ | ◯ |
スプール材質 | 超々ジュラルミン | 超々ジュラルミン |
ドラグ材質 | カーボンクロス ワッシャ | カーボンワッシャ |
海水対応 | ◯ | ◯ |
自重 | 215g | 190g |
スプール寸 (径/幅) | 34mm/22mm | 34mm/22mm |
巻糸量 (lb-m) | 12-120,14-100 16-85,20-70 | 12-120,14-100 16-85,20-70 |
ベアリング数 (S A-RB/ローラー) | 7/1 | 9/1 |
価格 | 37,500円 | 57,800円 |
実売価格 | 2万円後半 | 4万円後半 |
ボディ素材と自重の差
まずは自重の違いを見ると、
- 17スコーピオンDC:215g
- 15メタニウムDC:190g
と、17スコーピオンDCは15メタニウムDCよりも25g重い設計。
この重さの原因は、ボディ材質の違いが大きいです。
スコーピオンはアルミボディであるのに対して、15メタニウムDCは高価ながら軽量なマグネシウムボディを採用しているからです。
ドライブギアの違いがもたらす、巻き感度と巻き心地は?
17スコーピオンDCと15メタニウムDCは、ドライブギアにも大きな違いが見られます。
一つ目は、15メタニウムDCにはマイクロモジュールギアが採用されている点です。
マイクロモジュールギアは、ギアの歯を可能な限り小型化し、歯を密に、かつ数多くかみ合わせることで、強度を保持しつつ滑らかな動力伝達を実現したもの。
二つ目の違いは、15メタニウムDCがギア材質に軽量な超々ジュラルミンを採用している点です。
つまり、15メタニウムDCは軽量で精密なドライブギアを搭載することで、巻き感度が良いということです。
一方、17スコーピオンDCのドライブギアは、マイクロモジュールギアではない通常の超高強度真鍮製。
- 17スコーピオンDC:超高強度真鍮製ドライブギア
- 15メタニウムDC:超々ジュラルミン製ドライブギア+マイクロモジュールギア
一見すると超高強度真鍮製ドライブギアは、かなり劣っているようにも見えますが、実は一概にそうとは言えません。
超高強度真鍮製のドライブギアは、巻き感度こそ劣るものの、ずっしりとしたギアから生まれる巻き心地は良好だからです。
このように見ていくと、
- 17スコーピオンDC:自重が少し重いが、巻き心地が結構良い
- 15メタニウムDC:自重も軽く、感度が良い+マイクロモジュールギアで巻き心地も良い
という特徴がわかります。
軽さと巻きに関しては、やはり価格差が大きく出てしまう結果ということでしょうか。
ベアリング数の違い
17スコーピオンDCと15メタニウムDCは、ベアリング数にも2つの差があります。
- 17スコーピオンDC:7/1個(合計8個)
- 15メタニウムDC:9/1個(合計10個)
ただし、両リールとも全て防錆ベアリング(S A-RB)仕様なので、耐久面での違いはなさそうです。
飛距離性能に違いはない!?
ここまで、17スコーピオンDCと15メタニウムDCの違いを見てきました。
しかし、逆に飛距離性能の面で見てみると、17スコーピオンDCと15メタニウムDCに大きな違いがないことがわかります。
両者ともにブレーキはI-DC5を搭載。
スプールのスペックも、同じ超々ジュラルミン製で、スプール寸もラインキャパも全く同じです。
つまり、17スコーピオンDCと15メタニウムDCは飛距離面のスペックでは違いが見られないということ。
17スコーピオンDCは15メタニウムDCと同じように良く飛ぶリールです!
17スコーピオンDCにも優れたポイントが多数ある!
実は、17スコーピオンDCには、15メタニウムDCよりも優れたポイントが多数あります。
- 価格が安く、コスパが良い
- ドラグ性能が良い
- 巻き心地が良い
- ボディがタフ
価格が安く、コスパが良い
まずは、両者の約2万円というかなりの価格差。
上述したが、17スコーピオンDCと15メタニウムDCは、飛距離性能の面で大きな違いがないことを考えると、17スコーピオンDCのコスパは良すぎる!と言ってもいいのではないでしょうか。
ドラグ性能が良い
次に、ドラグ材質について見ると、
- 17スコーピオンDC:カーボンクロスワッシャ
- 15メタニウムDC:カーボンワッシャ
というように、実は17スコーピオンDCの方が良い材質を使っています。
カーボンクロスワッシャは、ドラグの滑り出しに優れ、さらに、高負荷・低負荷を問わずドラグの効きが一貫して滑らかなのが特徴です。
巻き心地が良い
これについては、上の項で説明した通り。
超高強度真鍮製のドライブギアを搭載した17スコーピオンDCは、意外と巻き心地が良いのです。
ボディがタフ
17スコーピオンDCは、アルミボディを採用しており、一般的にはマグネシウムよりも粘りがあってタフな材質と言われています。
素材の特性上、マグネシウムは比重が大きくて硬いので、アルミよりも少ない容積でボディを作れますが、その分ボディ自体に粘りが無くて固くなりやすく、衝撃に弱い面もあります。
もちろん、マグネシウムボディと言っても、その素材はマグネシウム含有量が高いだけで、純粋なマグネシウムではなく、リールのボディ用に最適な配合をしているので、適度な粘りは持たせています。
ただ、素材の特性から見ると、アルミ素材は粘りがあって、ぶつけたり落としたりしても(決して推奨できませんが)、大きく変形したり、致命的にヘコんだりしにくい、タフさがあるのです。
マニアックな話となってしまいましたが、要は、アルミボディはタフだと言うことです。
17スコーピオンDC vs 15メタニウムDC まとめ
さて、このように見てくると、17スコーピオンDCは15メタニウムDCの主な良い性能を抽出し、価格を抑えて設計されたコストパフォーマンスモデルだということがわかります。
もちろん緻密に設計された15メタニウムDCには細かな性能面で敵いません。
しかし、15メタニウムDCには予算面で手が届かないアングラーにしてみれば、2万円という大幅な価格ダウンで15メタニウムDCの飛距離性能を備えた17スコーピオンDCは、とっても嬉しいモデルということです。
17スコーピオンDC (Scorpion DC)のスペック
製品名 | ギア比 | 自重 (g) | 最大 ドラグ力 (kg) | 最大 巻取長 (cm) | ナイロン 巻糸量 (lb-m) | ハンドル (mm) | ベア リング | 価格 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
100 RIGHT | 6.3 | 215 | 5.5 | 67 | 12-120,14-100 16-85,20-70 | 42 | 7/1 | 37,500円 |
101 LEFT | 6.3 | 215 | 5.5 | 67 | 12-120,14-100 16-85,20-70 | 42 | 7/1 | 37,500円 |
100HG RIGHT | 7.2 | 215 | 5.5 | 77 | 12-120,14-100 16-85,20-70 | 42 | 7/1 | 37,500円 |
101HG LEFT | 7.2 | 215 | 5.5 | 77 | 12-120,14-100 16-85,20-70 | 42 | 7/1 | 37,500円 |
技術特性
- X-SHIP:高負荷時でも力強い巻き上げを可能にするギアシステム
- HAGANEボディ:高い剛性を持つ金属のボディ
- S3Dスプール:重量バランスや寸法精度を高め、キャスト時の振動を抑制したスプール
- I-DC5
- 海水対応
17スコーピオンDC (Scorpion DC)の発売日と価格
17スコーピオンDCの発売日は以下の通りです。
- 100/100HG(右巻き):2017年2月発売
- 101/101HG(左巻き):2017年4月発売
右巻きモデルとなる17スコーピオンDC100、17スコーピオンDC100HGが先に発売されます。
17スコーピオンDCの右巻きモデルは既に販売が開始されています。
また、遅れて発売となる左巻きモデルは、予約発売が開始されています。
17スコーピオンDCの価格は37,500円となっており、11スコーピオンDCからのモデルチェンジにもかかわらず、据え置き価格。
おおよその実売価格は2万円後半くらいでしょう。
価格の安いショップは先に完売してしまうので、気になる方はお早めに。
まとめ
シマノ(SHIMANO)の2017年新作ベイトリール「17スコーピオンDC (Scorpion DC)」は、最新のDCシステムI-DC5を搭載し、ダイヤルだけの簡単なセッティングでストレスフリーなキャスティングを実現し、安定した飛距離で釣りを楽しむことができる最新モデルのリールです。
高価なDC搭載リールの中で、最も低価格な17スコーピオンDC。
しかし、その機能性は、上位機種である15メタニウムDCに匹敵する水準となっており、非常にコスパのいいモデルとなっています。
バックラッシュを恐れてベイトリールを使っていない初心者の方はもちろん、これまでDC搭載リールに興味はありつつも様子見だった方にもオススメです。
技術進化した17スコーピオンDCで快適なキャスティングを楽しんでみてはいかがでしょうか。
▼リール特集も必見!