ダイワ(DAIWA)の17イージス(AEGIS)は、ダイワのバス釣り専用スピニングリールの人気モデル13イージスのフルリニューアルモデルだ。
17イージスは、フロロカーボンラインに特化したモデルである13イージスの特徴はそのままに、話題の新モデル17セオリーをベースとして、イージスカラーのブラック&レッドを身に纏ったデザインになっている。
ダイワのフラッグシップモデル15イグジストを凌ぐ超軽量モデルとして話題の17セオリー。
この話題作をベースとして設計され、その良さを十分に引き継いている17イージスは、果たしてどのようなモデルとなっているのだろうか?

目次
17 イージス (AEGIS)
脅威の軽さを誇る17イージス。
17イージスは、ZAION製超軽量エアローターやATD、マグシールドなど、上位機種にも搭載されるダイワの最新テクノロジーを惜しみなく注ぎ込んだ、バス釣り専用のスピニングリールだ。
特に17イージスの自重は2500番台で185gとなっており、ダイワの最高級モデル15イグジストの2500番台の自重190gよりも5g軽いという、脅威の軽さだ。

超軽量素材ZAIONを惜しみなく使用!

ZAION (ザイオン)
17イージスの軽さの秘密は、新たに設計されたZAION製の新型コンパクトボディや、同じくZAION製の超軽量エアローターの搭載による。
ダイワ独自のカーボン素材ZAIONは、高密度にカーボン繊維が織り込まれたカーボン樹脂素材。
非常に剛性かつ軽量な素材で、重量比強度はマグネシウムを上回る。
さらに金属ではないので腐食にも強く、リールにとっては理想的な特性を持つ素材だ。
また、ZAIONによって軽量化されたエアローターにより、17イージス自体の軽量化だけでなく、低慣性化による高レスポンスな回転と軽快な巻き心地、そして高剛性がもたらす優れた巻き感度にも貢献している。

フロロラインに特化した仕様が盛り沢山!
バス釣りでの使用を前提として設計された17イージスは、3〜5lb程度の細いフロロラインを快適に使えるように多くの工夫がされている。
ここでは、その工夫を見ていこう。
フロロ専用の薄型アルミスプールとABS R
17イージスのスプールは、重量を1gでも軽くするために極限まで削り込んだ薄型アルミスプールを搭載している。
さらにこのスプールは、フロロ専用のABSであるABS Rを採用。
スプールの巻き取り面が逆テーパーに設計されており、細いフロロラインでもトラブル無く放出される。
また、古いタイプの逆テーパー設計とは大きく異なり、17イージスに採用されている新しいABS Rは、大口径で飛距離が伸びるスプール構造となっている。
つまり、優れた飛距離性能を保ちつつ、硬さのあるフロロラインでもスプール前方のラインが押し出されにくくなるので、バックラッシュなどのライントラブルを低減してくれるのだ。
さらに、このスプールは17イージス専用に新しく設計された浅溝スプール。
必要な量だけを巻くことが出来る、最適なラインキャパシティなので、ラインが減りすぎて飛距離を損なうこともなく省エネだ。

ラインローラーもフロロ専用のツイストバスターII (R)仕様
さらに、17イージスはラインローラーにもフロロラインに特化したツイストバスターII(R)を搭載。

ドラグもフロロに優しい設計

ATD (オートマチックドラグ)
17イージスのドラグには、上位機種にも搭載の新世代のドラグシステムATD(オートマチックドラグ)を採用。
ATDは、滑り出しが非常にスムーズで、アワセ切れなどのラインブレイクをしにくいのが特徴だ。
また、魚の引きに追従しながら粘り強くドラグが効き続けるので、ファイト中の魚の違和感が減り、無駄に暴れるのを防いでくれる。
このATDと巻き取りスピードとドラグ性能を向上させてくれる大口径スプールとの相乗効果で、極細のフロロラインでもラインブレイクしにくいドラグなので、安心して魚とのファイトを楽しむことができる。

マグシールドの搭載でソルトのライトゲームもOK!

MAG SEALED (マグシールド)
バス釣り専用リールとして謳われている17イージスだが、海水にも対応しているで、バスやトラウトだけでなくアジング・メバリングなどのソルトルアーのライトゲームを楽しむこともできる。
特にその防水性と耐久性は、ダイワの誇るマグシールドの搭載により、抜群の安定感を発揮する。
このマグシールドは、ボディとローターの隙間に磁性を持つオイルの壁を作り、海水や埃などの侵入を防ぐ機構。
ボディとローターが無接点のため軽く滑らかな回転を長期間維持してくれる。
これにより、簡単なメンテナンスだけでリールが長持ちするのだ。

17イージスと17セオリーの違いは?
17イージスは、汎用スピニングリール17セオリーをベースとして設計されており、かなり似たスペックとなっている。
▼17セオリーの特集記事はコチラ。
17イージス vs 17セオリー スペック比較
17イージスと17セオリーの違いはどのようなものだろうか?
下の表では、17イージスと17セオリーの主なスペックの違いを比較してみた。
▼違いが見られるところを赤字にしてある。
製品名 | 17イージス 2003F(-H) | 17イージス 2505F(-H) | 17セオリー 2004(H) | 17セオリー 2506(H) |
---|---|---|---|---|
ギア比 | 4.8/5.6 | 4.8/5.6 | 4.8/5.6 | 4.8/5.6 |
巻取長(cm) | 64/75 | 72/84 | 64/75 | 72/84 |
ハンドル長(cm) | 50/55 | 50/55 | 40/45 | 50/55 |
自重 | 170g | 185g | 175g | 185g |
最大ドラグ力 | 2kg | 3kg | 2kg | 3kg |
糸巻量(lb-m) | 3-100 4-90 | 4-140 5-100 | 3-140 4-100 | 5-140 6-100 |
ベアリング | 7/1 | 7/1 | ||
スプール素材 | 肉薄アルミ | アルミ | ||
スプール構造 | ABS R | ABS II | ||
ラインローラー | ツイストバスターII (R) | ツイストバスターII | ||
エアローター | ZAION | ZAION | ||
マグシールド | ボディ | ボディ | ||
ドラグ | ATD | ATD | ||
ソルト対応 | ◯ | ◯ | ||
価格 | 33,000円 | 34,000円 | 30,500円 | 31,000円 |
実売価格 | 25,000円前後 | 26,000円前後 | 23,000円前後 | 24,000円前後 |
基本スペックは同じ。
17イージスは、17セオリーをベースとした事もあって基本的なスペックはすべて同じだ。
両者ともに防水&耐久機構のマグシールドや、ZAION製超軽量エアローター、そして新世代ドラグシステムのATDも搭載している。
汎用スピニングリールである17セオリーは、2000〜4000番台までの幅広いラインナップがあるとはいえ、2000〜2500番台に限定して見れば、ギア比のラインナップもボールベアリングの数も全く同じだ。

フロロラインに特化した17イージス
上でご紹介したように、17イージスはフロロラインに特化した機構が多く取り入れられており、この点が17セオリーと決定的に異なっている。
具体的には17イージスに搭載されている、
- 超軽量薄肉アルミ素材スプール&ABS R:大口径かつ逆テーパー設計で高飛距離&トラブルレス
- ツイストバスターII (R):細糸フロロでも快適に機能するラインローラー
に違いが見られる。

自重は17イージスの方が軽い!?
両モデルの自重を比較してみると、2000番台は17イージスの方が5g軽くなっている。
恐らくこれは、17イージスが採用した超軽量薄肉アルミ素材のスプールによるのではないだろうか。
この超軽量薄肉アルミ素材のスプールは、フラッグシップモデル15イグジストと同じ機構でもある。
17イージス2505F(-H)にしてみても、スプールが大口径化されているにも関わらずその重量は同じ2500番台の17セオリーと同じ185g。

スプールが浅溝化している17イージス
両モデルの糸巻量を比較してみると、2000番台では、
- 17イージス2003F:3lb-100m
- 17セオリー2004:3lb-140m
また、2500番台では、
- 17イージス2505F:5lb-100m
- 17セオリー2506:5lb-140m
となっており、17イージスのスプールが17セオリーよりも浅溝になっていることがわかる。
巻いているラインの量が減りすぎることがなく、常に最適なラインの分量を保てるので、リール本来の機能を発揮しやすい。
ライントラブルの少なさも、飛距離性能も、常に高レベルを発揮できるのだ。

17イージスのハンドルは長めの設計
17イージスは、ハンドル長にもこだわりが見られる。
ギア比ごとにハンドル長を、
- ノーマルギア(ギア比4.8):50cm
- ハイギア(ギア比5.6):55cm
としており、同サイズのリールに通常採用されているハンドルよりも長い設計となっている。

価格は17イージスの方が微妙に高価
価格面で見ると、17イージスは17セオリーに対して3,000円〜2,500円高く設定されている。
これは、フラッグシップモデル15イグジストと同じ、超軽量薄肉アルミ素材のスプールを採用していることによる違いによるのではないだろうか。

17イージス(AEGIS)のスペック
製品名 | ギア比 | 自重 (g) | 最大 ドラグ力 (kg) | 最大 巻取長 (cm) | フロロ 糸巻量 (lb-m) | ハンドル (cm) | ベア リング | 価格 (円) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2003F | 4.8 | 170 | 2 | 64 | 3-100 4-90 | 50 | 7/1 | 33,000 |
2003F-H | 5.6 | 170 | 2 | 75 | 3-100 4-90 | 55 | 7/1 | 33,000 |
2505F | 4.8 | 185 | 3 | 72 | 4-140 5-100 | 50 | 7/1 | 34,000 |
2505F-H | 5.6 | 185 | 3 | 84 | 4-140 5-100 | 55 | 7/1 | 34,000 |
付属品
- リールバッグ
- 調整ワッシャー
- RCSスプール対応用ワッシャー
技術特性
- 肉薄アルミスプール
- アルミマシンカットハンドル:安定した巻き上げ感覚を生む高剛性マシンカットハンドル
- マシンカットデジギヤ:デジタル設計と高精度マシンカットのジュラルミンデジギヤ。滑らかでパワフルな巻き上げを生む。
- リニアシャフト:メインシャフトとピニオンギヤを独立して支える構造。摩擦抵抗をなくし高負荷な巻取りでもパワーロスを減少。
- ABS R
- クロスラップ:クロスして巻き取ることでスプール巻糸部へのラインの食い込みや糸のズレを防ぐ機構。ライントラブルを低減し、心地よい飛びを実現。
- エアベール:糸をラインローラーまで流れるように送り出し、糸絡み激減させるベール形状。中空構造により重量を変えずに大幅な強度アップも実現。
- ツイストバスターII(R):ラインローラーにテーパーをかけて糸を転がし、ローラー回転で発生する糸ヨレを大幅に解消する構造。Rはフロロライン専用の設計だ。
- ラインローラーBB(1BB):ラインローラー部にボールベアリングを搭載。回転フィーリングの向上と糸ヨレ軽減に寄与。
- ローターブレーキ:ベールオープン時にローターの回転にブレーキをかけ、キャスト時に動いたハンドルでベールが返るのを防止。
- リアルインフィニットストッパー:ボディ内の特殊ワンウェイクラッチによりローター・ハンドルの逆転ガタを解消。タイトで高精度な巻き上げを実現。
- シャワー洗浄可:流水による水洗いが可能
- ソルト対応
- ハンドルノブS交換可
17イージスの発売日
17イージスの発売日は2017年03月発売予定となっている。
すでに販売中
なお、17イージスはすでに予約販売が開始されている。
私が確認したところでは、最安ショップは2000番台が税抜23,100円〜販売されていた。
おおよその実売価格は2万円半ばくらいとなるだろう。

まとめ
ダイワ(DAIWA)の2017年新作スピニングリール「17イージス(AEGIS)」は、ZAION製超軽量エアローターやATD、マグシールドなど、上位機種にも搭載されるダイワの最新テクノロジーを搭載し、細糸フロロを扱うバス釣りでは最高クラスのスピニングリールだ。
ベースとなった17セオリーと比較しても、フラッグシップモデル15イグジストと同じ超軽量薄肉アルミ素材のスプールを採用し、その形状は細糸フロロを念頭に置いたABS Rにより大口径かつ逆テーパー設計。
またラインローラーもフロロラインに特化したツイストバスターII(R)を採用し、向かい風での極限フィネスゲームでも徹底的にサポートしてくれる。
自重に関しても17イージスの方が17セオリーよりも軽く、価格差約3,000円を考慮しても、バス釣りで使うには17イージスの持つアドバンテージは有り余るほどだろう。

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