今回は、「春のバス釣り」攻略法についてまとめてみた。バス釣りにとっての春は、だいたい3月頃から始まり、4月〜5月までのシーズンとなる。
春のバス釣りは、冬から目覚めたばかりのブラックバスが動き出すシーズン。特にその動き出しはサイズの大きな個体のほうが早く、冬のシーズンにルアーをあまり見ていなかったこともあり、バイトしやすい季節。春はデカバスを狙って釣りやすい季節なのだ。
また春というシーズンでとりわけ重要なのは、ブラックバスにとっての一大イベントである「スポーニング(産卵)」があるということ。
体力の消耗が激しいスポーニング(産卵)を控えたバスは、体力を蓄えるために多くのエサを必要とする。そのため、食欲旺盛でルアーにもバイトしやすいというわけだ。(プリスポーニング時期・3月頃)
しかし、スポーニングの真っ只中(ミッドスポーン・4月頃)や、スポーニングが終わった後(アフタースポーン・5月頃)では、バスの状態も大きく変化し、必然的にそのアプローチの仕方が大きく変化してくる。
春は春でも、その時のバスがどの状態なのかをあらかじめ知識として知っておかないと、意外と苦戦を強いられてしまう季節でもあるのだ。
ただ、逆に考えれば、しっかりと知識さえ持っていれば、春のバスは狙って釣りやすく、しかもデカバス率が非常に高い季節。まさにバス釣りを一番楽しめる季節とも言えるシーズンなのだ。
それでは、春のバス釣りについて詳しくご紹介していこうと思う。
目次
春のバス釣りパターンと攻略法
ブラックバスのスポーニング(産卵)とは
上述したように、春のブラックバスにはスポーニング(産卵)という一大イベントがある。
スポーニングについては、「ブラックバス季節の釣り方」バス釣り季節別の攻略法まとめの記事にも書いたが、
- 産卵前のプリスポーニング(プリスポーン・3月頃)
- 産卵期のスポーニング(ミッドスポーン・4月頃)
- 産卵後のアフタースポーニング(アフタースポーン・5月頃)
の3つに分けて考えると理解しやすい。
▼詳しくはこちらの記事をご参考に。
この時期というのは目安なので、フィールドによっても、またその年の気温によってもズレてくるので、参考程度と考えておくと良いだろう。
また、そのフィールドにいる全てのバスが一斉にスポーニングを行うのではなく、まずは体力があって動き出しの早い大きなバスからスポーニングを始める。その後。徐々に中型〜小さな個体のバスへと移行していく。
最後には小さなバスがスポーニングをすることになるが、中にはスポーニングを2〜3回行うデカバスも結構いて、そんなデカバスは小さなバスの中に混じっていたりもする。
まとめてみると、
- スポーニング時期はフィールドや年によってズレが生じる
- また、バスのサイズによってもその時期はズレてくる
ということになる。
なので、自分の行くフィールドで、狙っているバスが現在どの状態にあるのかを自分で把握していくことが重要となってくる。
それでは、スポーニングの各時期について詳しく見ていこう。
プリスポーン(3月)のバス釣り
早春(3月頃)のプリスポーン期間は、一年でデカバスが最も釣りやすいシーズンだと言ってもいいだろう。
特に、ディープで長い冬を越し、腹を空かせてようやくシャローに上がってきたバスにとって、ルアーは新鮮に見えていることだろう。
プリスポーンの時期になると、体力のあるデカバスからシャローに上がってくる。
特に大きなバスは、3月初旬にはシャローで活発に活動をすることになり、この時期が一年で最もデカバスが狙いやすい時期となる。
その後、4月に入ると個体数の多い中型〜小型のバスもシャローに上がり始め、数釣りを楽しむことができる。
プリスポーン時期の大潮は狙い目
プリスポーンバスを狙う上で重要なポイントは、「大潮」の日だ。
一見、潮の干満は海の釣りに関係するもので、池や湖では関係なさそうに見えるが、バスの本能的に「大潮」の日には産卵が促されるのだろう。
特に普段は口を使わないようなデカバスが意外とあっさり釣れるようになる。
更に言うと、特に夜は狙い目だ。この時期の夜釣りは本当にデカバスがよく釣れる。
と言うか、私自身この時期の夜釣りで40cm以下を釣ったことがない。
もしかすると、小バスは身の危険を感じで身を潜めてしまっているのかもしれない。
そんなわけで、春の夜釣りは釣れればサイズが40〜60cmはあるし、数も出やすい。
毎晩フィールドに通うのが楽しくてたまらないのがこの時期の特徴だ。
ミッドスポーン(4月)のバス釣り
ミッドスポーン(4月頃)の時期になると、先にオスのバスがシャローに入ってネスト(産卵床)を作り始める。
その後、メスのバスがシャローに上がり始め、オスのバスが作ったネストを見て回り、気に入ったネストを見つけると、そこでスポーニングを行う。
スポーニング期のオスのバスはネストで、卵から孵った稚魚が独立する大きさになるまで子育てをする。
オスのバスが卵の孵化から稚魚を守り続けるのは、だいたい1ヶ月程度と言われている。
バスはこの時期、卵や稚魚を狙う外敵に対して攻撃して追い払うようになるが、このとき攻撃する外敵を捕食はしない。
その理由は、この時期のバスはホルモンの分泌で空腹を感じないためだと言われている。
しかし、バスのネストを狙った釣りは、バスへのダメージがあまりにも大きいのでオススメできない。
ネストのバスを見つけても、釣ろうとはせずに温かく見守ってあげよう。
アフタースポーン(5月)のバス釣り
スポーニングが終わると、メスのバスはネスト付近に数日間は留まるが、その後少しディープよりのエリアに落ち、サスペンドして体力の回復を待つようになる。
一方、オスのバスはネストの卵が孵化し、稚魚が十分な大きさに成長するまで稚魚を外敵から守り続けることになる。
アフタースポーン(5月頃)のバスは、疲れ切っているためかなかなか口を使わなくなってしまうので釣りづらい。
それでも、季節が梅雨に入ると体力が回復してきて活発に捕食するようになってくる。
春のブラックバスが釣れるポイントとパターン
以上、春バスの行動をざっと見てきたが、ここからは実際に春バス釣れるポイントとパターンについて見ていこう。
春のバス釣りでは、シャローにネストをつくることもあり、バスが常にシャローを意識していることを押さえておこう。
プリスポーン時期に釣れるポイント
プリスポーン時期の3月は、越冬場所のディープからシャローに上がるために様子をうかがっていることもあり、シャローとディープつなぐ道筋にあるストラクチャーに付くようになる。
専門用語では、これを「コンタクトポイント」と言ったりもする。
毎年バスがスポーニングを好むエリアは決まっているので、そこを覚えておけば、ディープとシャローを結ぶ道筋も自ずと見えてくるだろう。
初めて行くフィールドならば、バスが越冬しそうなディープと、スポーニングに好みそうなハードボトムで日当たりの良いシャローをつなぐエリアのストラクチャーを見つけていけばいい。
ミッドスポーン時期に釣れるポイント
4月に入って水温の温かい日が続いてくると、スポーニングに向けて活性の上がってきたバスが次々とシャローに入り、産卵前の荒食いを始めるようになる。
なので、基本的にはシャローを狙えばOK。
特に、この時期のバスはシャローのストラクチャーに付くことが多く、シャローのカバーを打てばかなり美味しい思いができるはずだ。
あるストラクチャーでバスが1匹釣れても、時間をおけば同じストラクチャーに他のバスが付くことも多く、一日に同じポイントで何匹も釣ることができるのもこの時期の特徴だ。
この時期に良いシャローの見分け方だが、基本的にはバスがスポーニングをするのに好む場所ということになる。
それは、日当たりが良いハードボトムというのが教科書通りだが、実は日当たりがそれほど良くなくても、水温が安定して高ければ良い。
その理由は、バスの卵が孵化する期間は水温が高い方が早く、卵が早く孵化すれば、ネストで危険を顧みず卵を守る期間が短くなるので、バスにとっては好都合だからだ。
アフタースポーン時期に釣れるポイント
5月〜6月のアフタースポーン時期になると、バスそれぞれの個体によるスポーニング時期の違いから、プリスポーン・ミッドスポーン・アフタースポーンの3種類のバスが入り混じった状態になる。
基本的には遅い時期に遅れてスポーニングに入るのは小さなバスだが、デカバスが2回目のスポーニングに入ってくることもある。
この時期にデカバスを釣りたかったら、2回目のスポーニングに入ってくる個体を狙うか、アフターを狙うことになる。
しかし、上述したようにアフターのバスは釣るのが難しいので、サイズを選ばずに遅れてスポーニングに入る個体をシャローで狙って楽しむほうが、釣りは楽かもしれない。
春にバスが釣れるオススメルアー
ここからは、春に釣れるルアーについて見ていこう。
プリスポーン時期に釣れるルアー
春の「三寒四温」と言われるように、この季節は気温の上下が激しく、水温が安定しないので、バスのコンディションも日によって大きく変化してくる。
そのため、昨日まで釣れていた釣りが、天候の変化によって、翌日にはパッタリ釣れなくなることもよくある難しい時期だ。
早春の3月初め頃はまだ水温も低く、バスの動きは鈍目だ。
しかし、ようやく春を迎えて腹を空かせている状態なので、丁寧にバスの目の前にルアーを通せばバイトしてきてくれる。
狙うポイントは、ディープ〜シャローの間にあるコンタクトポイントになるため、ミドルレンジになることが多く、深く潜ることのできるロングビルミノーやスイムベイト、スピナーベイトが有効だ。
春のロングビルミノー
ロングビルミノーなら、アクションはこの時期有名な「ポンプリトリーブ」が良い。
「ポンプリトリーブ」のやり方は、ロッドを立ててルアーをアクションさせ、ロッドが立ち上がったら、今度はロッドを戻しながら糸ふけを取り、その間にルアーをポーズさせる。
このポーズ時に、ツンと軽くラインを引っ張られるようなアタリが出るのが特徴だ。
かなり小さなアタリが多いので、糸ふけを取るときは慎重に、集中して行おう。
水温が低く、バスの活性が低い時はポーズを長目に取ってあげると効果的だ。
ちなみに私のおすすめのロングビルミノーは、ジャッカルの「ダウズビドー」だ。
最近新色も加わって、バリエーションが増えたのも嬉しい。
春のスイムベイト
スイムベイトを使う場合は、ルアーをボトムまで沈め、ボトムすれすれをゆっくり引いてくるのが効果的だ。
時々ボトムでステイさせてあげたり、ストラクチャー付近ではシェイクしてあげたりして、動きに変化を付けるとよく釣れる。
今季、注目したいのは、メガバスの「マグスロウル」。
“動”の「マグドラフト」の対のルアーとして、”静”の「マグスロウル」がリリースされている。
スローに動かしてもしっかりアクションしてくれるので、この時期には使いやすいスイムベイトだ。
▼特集記事を書いたのでぜひご覧頂きたい。
ミッドスポーン時期に釣れるルアー
水温が十分に上がりスポーニング直前になると、活性の上がったバスは活発にエサを追うようになる。
特にこの時期は、スピナーベイトやクランクベイトが有効だ。
春のスピナーベイト
スピナーベイトが有効になってくるのは、プリスポーンの中でも、特にスポーニング直前のバスだ。
スポーニング直前のバスはかなり神経質になっており、イライラしやすい。
そこで、大きめのスピナーベイトで派手にバスの目の前を通してやると、怒ったように攻撃するかのようなバイトがある。
私のお気に入りは、O.S.Pの「ハイピッチャー」。
特に赤系の実績が良い。
春のクランクベイト
クランクベイトもこの時期にはとても有効だ。
特に、この時期によく釣れるカラーが「プリスポーンダイナマイト」と呼ばれる、赤系の色。
また、同じく赤系のザリガニカラーもよく釣れる。
昔からある定番のクランクは、エバーグリーンの「コンバットクランク」。
爆発するとかなりの釣果が期待できるルアーだ。
なぜ赤系が有効かというと、ザリガニ自体がバスの産卵を脅かす外敵であることもあるし、「赤」自体がバスにとって威嚇色であるということも関係している。
また、今季注目のルアーはレイドジャパンの「レベルクランクMID」だ。
カタパルトリップという特殊な形状のリップおかげで、潜行角度が浅く、根掛かりしにくいのが特徴だ。
▼詳しくは、特集記事をご参考に。
春のリザードワームとクローワーム
この時期に特に有効になってくるのは、リザードワームとクローワーム。
リザード=イモリも、クロー=ザリガニも、バスの産卵を脅かす外敵。
そのシルエットが、バスを本能的に刺激するため、この時期の神経質なバスには特に効果的だ。
特に今季注目のワームが、「リザードクロー」。
▼ぜひ特集の記事をご覧頂きたい。
アフタースポーン時期に釣れるルアー
産卵が終わったバスは、しばらく体力回復のためディープ寄りのエリアにサスペンドするようになる。
このアフタースポーンのバスは、かなり釣るのが難しい。
しかし、上述したように、全てのバスが同時にスポーニングを行うわけではなく、同じフィールド内に時間差でアフタースポーン、プリスポーン、ミッドスポーンのバスが入り交じる状態になるので、アフターのバス意外を狙った釣をする方が得策だろう。
季節が夏に近づき、アフタースポーンのバスも体力が回復してくると、また活発にエサを追うようになってくる。
この時期のバスを狙う場合は、そのフィールドのベイトフィッシュの動きに注目すると攻略しやすい。
オカッパリの場合はシャローを中心に狙うことになるが、この場合はスピナーベイトやシャロークランク、ラバージグのカバー打ちが面白い。
この時期になるとバスの活性もかなり高まるので、遠くにあるルアーでもバスの方から見つけて来て、ルアーの後ろをスーッと近寄ってくることも多い。
特にトップウォーターへの反応が良くなる季節で、かなりエキサイティングな釣りを楽しめる季節だ。
まとめ

以上が、「春のバス釣り」の攻略法のまとめだ。
かなりざっくりした話になってしまったので、次回以降の記事では更に細かくテーマを分けて、春のバス釣りを詳しく掘り下げた内容をお話しようと思う。
春はバスの活性が上がり、バス釣りが一年で最も楽しめる季節だ。
ぜひ、この季節に自己記録更新を目指してデカバスを狙ってみて欲しい。
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