ENGINEの「フォールスライダー」は、村川勇介プロ監修のバックスライド系ソフトベイト。
一見シンプルな高比重ワームに見えますが、実際には非常に実戦的な性能を持っています。
通常付けでカバーの奥へ滑り込ませるバックスライドはもちろん、逆付けによる水平シミーフォール、ボトムや中層でのトゥイッチまで幅広く対応可能です。

この記事では、フォールスライダーの実物インプレをベースにして、その特徴や基本リグ、使い方のほか、場所・季節ごとの出しどころや、フッキングの注意点、カラー選びのポイントまで詳しく解説します。

フォールスライダーの実物インプレ

フォールスライダーは、ENGINEの「フォールシリーズ」第4弾として登場したソフトベイトです。
フォールシリーズは、その名前の通り「フォールで食わせる」ことを重視したシリーズ。
フォールスライダーはその中でも、バックスライド系ワームとして設計されており、特にカバー攻略において高い性能を発揮します。
105mmというサイズ感に対して12.7gの自重があるため、ノーシンカーでも十分な飛距離を出しやすく、ベイトタックルで扱いやすいのが特徴です。
特に、アシ、ブッシュ、オーバーハング、杭、消波ブロック、リップラップなど、カバーや縦ストラクチャーを丁寧に撃っていく釣りで力を発揮します。
パーツを抑えたシンプルな扁平ボディ

フォールスライダーの見た目はかなりシンプルです。

大きな爪や脚が付いたクローワームではなく、扁平なボディに細いヒゲを備えたデザイン。

余計なパーツを削ることで、キャスト時の空気抵抗を抑え、飛行姿勢を安定させやすくしています。
この形状が効いてくるのが、カバー撃ちです。
パーツが多いワームは水中で強くアピールできる一方、キャスト時に回転しやすかったり、カバーに引っかかりやすかったりします。
フォールスライダーはその逆で、狙ったスポットに入れやすく、スキッピングもしやすいタイプです。
つまり、強い波動で広範囲のバスを呼ぶワームではなく、バスがいるであろうピンスポットへ正確に送り込み、フォール姿勢とスライド軌道で食わせるワームです。
自重を実測。ノーシンカーでも飛ばしやすい重さ

フォールスライダーはカタログ上は12.7gですが、実測では13.15gありました。
ノーシンカーでもしっかり投げられるウエイトなので、この重さは実釣でもメリットになります。
シンカーを使わなくても飛距離が出せるので、着水後のフォールをナチュラルに見せやすく、カバーの奥にも滑り込ませやすくなります。
特にオーバーハング下やアシ際にスキッピングで入れる釣りでは、自重と扁平ボディの組み合わせが活きます。
水面を跳ねさせやすく、狭い隙間にも入れやすいので、他のルアーでは届きにくい奥の奥までアプローチできます。
甲殻類を意識したフォールアクション

フォールスライダーは、テナガエビやザリガニなどの甲殻類を意識した使い方と相性が良いワームです。
ただし、一般的なクローワームのように大きな爪で水を強く押すタイプではありません。
ヒゲや扁平ボディによる姿勢の安定、そしてスライドしながら落ちていく軌道で、甲殻類らしい存在感を出します。
そのため、濁った水で強烈にアピールして気づかせるというより、カバーの中やストラクチャーの近くに静かに落とし込み、バスの目の前で自然に食わせるイメージです。
基本リグとセッティング
基本はノーシンカーリグ

フォールスライダーの基本は、ノーシンカーリグです。
推奨フックはオフセットワイドゲイブ4/0。
ボディに厚みがあるため、ゲイプ幅が不足するとフッキングが決まりにくくなります。
私がよく使っているおすすめはリューギのインフィニ#4/0です。


フックポイントは隠しすぎると根掛かりは減りますが、その分フッキングが悪くなることもあります。
カバー回避性能とフッキング性能のバランスを見ながら、刺し方を調整しましょう。

また、通常付けでワームが裂けて使いにくくなった場合でも、逆付けでシミーフォール用として使えます。

カバー撃ちではワームの消耗が早いので、こうした使い回しができるのはありがたいです。
通常付けはバックスライド

通常の向きでセットした場合、フォールスライダーはバックスライドアクションを出します。
着水後、手前に戻ってくるのではなく、カバーの奥へ滑り込むようにフォールしていくのが特徴です。
このセッティングが向いているのは、以下のような場所です。
| 場所 | 狙い方 |
|---|---|
| アシの裏側 | 手前ではなく奥へ滑り込ませる |
| ブッシュの中 | 枝の隙間に入れて自然に落とす |
| オーバーハング下 | スキッピングで日陰の奥へ入れる |
| 消波ブロック | 隙間や影へ落とし込む |
| フローティングカバー下 | 表層カバーの下へ送り込む |
「奥へ入れたい」「手前に落としたくない」「着水点よりさらに奥へ滑らせたい」という場面では、通常付けのバックスライドが基本になります。
逆付けは水平シミーフォール
フォールスライダーは、逆付けにすることでアクションが変わります。
通常付けがカバー奥へ入れるためのバックスライドだとすれば、逆付けはその場で見せるためのシミーフォールです。
水平気味に沈みながら、左右に細かく揺れるようなフォールを演出できます。
このセッティングが効くのは、ルアーを奥へ滑らせる必要がない場面です。
たとえば、杭、垂直護岸、リップラップ、アシの手前など。
バスがストラクチャーに付いていて、その目の前で長く見せたい時に有効です。
バックスライドでは魚の前を通過してしまうような状況でも、逆付けシミーフォールなら移動距離を抑えながら誘えます。
フック形状で動きが変わる
フォールスライダーは、フックの形状によってもアクションの出方が変わります。
推奨はオフセットワイドゲイブ4/0で、ボディの厚みに対してフッキングスペースを取りやすく、カバー撃ちでも使いやすいからです。
一方で、ナローゲイプ系のフックを使うと、姿勢やスライド幅を変えることができます。
アクションを細かく調整したい場合は、フック形状を変えて試す価値があります。
最初から細かく考えすぎる必要はありませんが、フッキングが決まらない、思ったよりスライドしない、姿勢が安定しないと感じた時は、フックを見直すと改善することがあります。
フォールスライダーの基本的な使い方

バックスライドでカバー奥へ送り込む
フォールスライダーの最も基本的な使い方は、カバー奥へのバックスライドです。
狙うのは、アシ、ブッシュ、オーバーハング、フローティングカバー、消波ブロックなど。
バスが身を隠していそうな場所へキャストし、着水後はラインを張りすぎずにフォールさせます。
操作の流れは以下の通りです。
- カバーの奥、または奥へ滑り込ませたい角度でキャストする
- 着水後はラインスラックを少し残す
- ワームが自然にスライドフォールするのを待つ
- ラインが走る、止まる、重くなるなどの変化を見る
- 違和感があれば一瞬ラインを送り、しっかり巻き取って強くフッキングする
ここで大事なのは、ロッドで積極的に動かしすぎないことです。
フォールスライダーは、着水後のフォールそのものが誘いになります。
余計に動かすよりも、ラインテンションを調整して自然に滑らせる方が、このワームの良さを引き出せます。
逆付けシミーフォールで縦に見せる
カバーの奥へ送り込む必要がない場所では、逆付けのシミーフォールが有効です。
たとえば、杭の横、垂直護岸、リップラップの壁際、アシの手前など。
こういった場所では、ルアーを奥へ滑らせるよりも、バスの目の前でゆっくり見せる方が効果的なことがあります。
逆付けにしたフォールスライダーは、水平気味の姿勢で沈みやすく、細かく揺れながらフォールします。
バックスライドで反応がない時のフォローとしても使えます。
「カバーの奥へ入れる」のではなく、「ストラクチャーの横で長く見せる」。
これが逆付けシミーフォールの基本です。
ボトムトゥイッチで食い渋りを誘う
フォールスライダーは、フォールだけでなくトゥイッチでも使えます。
特に逆付けセッティングでは、短い移動距離で細かく誘うボトムトゥイッチが有効です。
スポーニング前後や夏場の高水温期など、バスの動きが鈍い時に試したい使い方です。
操作はシンプルで、ボトムまで沈めてから、ロッドティップで軽くトゥイッチしてワームを動かし、止めます。
動かした直後ではなく、止めた瞬間や再びフォールするタイミングで食うことが多いので、ポーズをしっかり入れるのがポイントです。
移動距離を抑えながら誘えるため、ピンスポットに付いているバスや、プレッシャーが高く追い切らない魚に向いています。
場所別の使い分け
フォールスライダーは、場所によって通常付けと逆付けを使い分けると効果的です。
基本的には、奥へ滑らせたい時は通常付け、目の前で見せたい時は逆付けと考えると分かりやすいです。
| 場所 | おすすめセッティング | 狙い方 |
|---|---|---|
| アシの裏 | 通常付けバックスライド | アシの奥へ滑り込ませる |
| ブッシュの中 | 通常付けバックスライド | 枝の隙間に入れて自然に落とす |
| オーバーハング下 | 通常付けバックスライド | スキッピングで日陰の奥へ入れる |
| 消波ブロック | 通常付けバックスライド | 隙間や影へ落とし込む |
| 杭 | 通常付けまたは逆付け | 奥へ入れるか、縦に見せるかで選ぶ |
| 垂直護岸 | 逆付けシミーフォール | 壁際を水平気味に落とす |
| リップラップ | 逆付けシミーフォール | 石積み沿いにゆっくり見せる |
| アシの手前 | 逆付けシミーフォール | 手前の魚に長く見せる |
特に分かりやすいのは、アシ周りです。
アシの裏側や奥に入れたい時は通常付けのバックスライド。
アシの手前に魚が付いている時や、奥へ入れすぎると根掛かりしやすい時は逆付けのシミーフォール。
同じアシでも、狙う位置によって使うセッティングが変わります。
季節別の出しどころ
アフター回復期
フォールスライダーが特に使いやすいのは、アフタースポーンの回復期です。
産卵後のバスは一時的に体力を落としますが、回復に向かうにつれて甲殻類や小魚を捕食し始めます。
このタイミングで、ブッシュ、杭、アシ、消波ブロックなどにフォールスライダーを落とし込むと、効率よくバイトを取れることがあります。
強く動かして追わせるよりも、バスの近くに静かに入れて、ゆっくり落として食わせるイメージです。
夏のシェード攻略
夏はフォールスライダーの得意なシーズンです。
水温が上がると、バスはシェードやカバーに入りやすくなります。
オーバーハング、アシ、ブッシュ、フローティングカバー、橋脚の影などが主な狙い目です。
この時期は、スキッピング性能が大きな武器になります。
他のルアーでは届かない奥のシェードにフォールスライダーを滑り込ませ、着水後のフォールで食わせる。
夏のカバー撃ちでは、この使い方がかなり実戦的です。
晩夏から秋口
晩夏から秋口にかけても、フォールスライダーは有効です。
この時期は、フィールドによって魚のポジションが散りやすくなります。
巻き物で広く探る展開も有効ですが、カバーや縦ストラクチャーに残っている魚には、フォールスライダーのようなスローに見せられるワームが効く場面があります。
特に、巻き物で反応がないスポットをフォローする時に便利です。
通常付けでカバー奥を撃つだけでなく、逆付けシミーフォールやボトムトゥイッチを混ぜることで、食い渋った魚にも対応しやすくなります。

タックルセッティング
まずは、以下のセッティングを基準にするとよいでしょう。
| パーツ | 基準 |
|---|---|
| リグ | ノーシンカー |
| フック | オフセットワイドゲイブ4/0 |
| ライン | フロロ14〜16lb |
| ロッド | MH〜Hクラス |
カバーの濃さにもよりますが、フォールスライダーはカバーの中で掛けることが多いワームです。
魚を掛けた後に引き離すことまで考えると、タックルはやや強めに組むのが無難です。
ロッド
フォールスライダーは、カバー撃ちで使うことが多いワームです。
そのため、ロッドはMH〜Hクラスが基準になります。
軽いカバーならMHでも扱えますが、ブッシュやアシ奥、消波ブロック周りで掛けることを考えると、Hクラスの方が安心です。
重要なのは、投げやすさだけでなく、掛けた後に魚をカバーから引き離せるかどうかです。
フォールスライダーはボディに厚みがあるため、しっかりフックを貫通させるパワーも必要です。
柔らかすぎるロッドでは、フッキングが甘くなることがあります。
ライン
ラインはフロロカーボン14〜16lbを基準にすると使いやすいです。
カバーが薄い場所や飛距離を優先したい場合は14lb。
アシやブッシュ、消波ブロックなどカバーが濃い場所では16lb以上。
フォールスライダーはフォールで食わせるワームなので、ラインを太くしすぎるとフォール姿勢やスライドに影響する場合があります。
カバーの濃さとアクションの出しやすさのバランスを見て選ぶのが大切です。
フッキングのコツと注意点
軽いアワセはすっぽ抜けやすい
フォールスライダーを使う上で、最も注意したいのがフッキングです。
ボディに厚みがあるため、バイトが出ても軽く合わせるだけではすっぽ抜けることがあります。
特にフォール中のバイトは、バスがワームをくわえた直後に違和感を感じて離すこともあるため、焦って即アワセすると掛からないことがあります。
バイトが出たら、まずはラインを送る。
そこからラインスラックを巻き取り、ロッド全体を使って強くフッキングする。
この流れを意識すると、フックアップ率が上がりやすくなります。
ライン管理が釣果を左右する
フォールスライダーは、ライン管理が非常に重要なワームです。
ラインを張りすぎると、自然なバックスライドが出にくくなります。
反対に、ラインを緩めすぎるとバイトが分かりにくくなります。
理想は、軽くスラックを残しながらも、ラインの変化は見える状態です。
バイトは、手元に明確なアタリとして出るとは限りません。
ラインが急に走る、フォール中に止まる、少し重くなるなど、視覚的な変化で気づくことも多いです。
フォールスライダーは、ロッドで大きく動かすワームというより、ラインの張り具合を調整しながら、自然なフォールを活かすワームです。
フォールスライダーのスペック

| 名称 | フォールスライダー |
| 全長 | 105mm(約4.1インチ) |
| 重量 | 12.7g |
| 入数 | 6本 |
| 価格 | 700円 |
| 推奨フック | オフセットワイドゲイブ4/0 |
| 対応 | FECO対応 |
| 主な用途 | カバー撃ち、バックスライド、 シミーフォール、トゥイッチ |
カラーバリエーション
「フォールスライダー」のカラーバリエーションは、全10色。

- #01 グリーンパンプキン
- #03 カスミSP
- #08 シナモンペッパーブルーフレーク
- #09 AOYグリパン(グリーンパンプキンペッパー/オーロラフレーク)
- #17 ブラックレッドフレーク
- #18 グリパン/チャート
- #19 GOD MAGIC
- #39 グリパンレッドフレーク/オレンジ
- #40 シナモンチャートブルーフレーク
- #41 ライトシナモングリーンフレーク
まずはグリパン系を基準にする
最初に選ぶなら、グリーンパンプキン系が基準になります。
グリパン系はクリアウォーターからステインウォーターまで対応しやすい定番カラー。
フォールスライダーでも、まずはナチュラルに見せられるグリパン系を軸にするとよいでしょう。
初めて購入する場合は、グリーンパンプキンやAOYグリパンのような色を1パック持っておくと、幅広い状況で使えます。
濁りやローライトでは強い色を使う
濁りが強い時や、朝夕、曇天、濃いシェードの中では、シルエットが出やすいカラーや視認性の高いカラーが有効です。
ブラックレッドフレーク、グリパン/チャート、シナモンチャート系などは、カバー奥でも存在感を出しやすいカラーです。
特にフォールスライダーは、カバーの中や日陰で使うことが多いワームです。
水が濁っている、光量が少ない、魚に気づかせたいという場面では、ナチュラル系だけでなく強めの色も試す価値があります。
甲殻類を意識するなら赤・オレンジ系
ザリガニやテナガエビを意識するなら、赤やオレンジが入ったカラーもおすすめです。
グリパンレッドフレーク/オレンジのようなカラーは、甲殻類を意識した釣りと相性が良く、アシ、ブロック、リップラップ、杭周りで使いやすいです。
水中で派手すぎる色を避けたい場合でも、赤ラメやオレンジが少し入ったカラーなら、ナチュラルさとアピール力のバランスを取りやすくなります。

フォールスライダーが向いている人
フォールスライダーは、以下のような人に向いています。
一方で、巻いて広範囲を探る釣りや、強い爪アクションでアピールする釣りをしたい場合は、別のルアーの方が向いています。
フォールスライダーは、広く探るワームではなく、狙った場所に入れて、フォールや短い移動距離で食わせるワームです。
そのため、ライン変化を見る釣りや、ピンスポットを丁寧に撃つ釣りが好きな人ほど使いこなしやすいでしょう。
まとめ

フォールスライダーは、カバー奥へ滑り込ませることに優れた高比重バックスライド系ワームです。
通常付けでは、アシ裏、ブッシュ奥、オーバーハング下などへバックスライドで送り込むことができます。
逆付けにすれば、杭、護岸、リップラップ、アシの手前などで水平シミーフォールやトゥイッチを使った誘いも可能です。
特に強いのは、アフター回復期から夏のカバー攻略、そして甲殻類を意識したシャローの釣りです。
使い始めるなら、まずはオフセットワイドゲイブ4/0、フロロ14〜16lb、MH〜Hクラスのベイトタックルを基準にするとよいでしょう。
カラーはグリパン系を軸に、濁りやローライトではブラック系やチャート入り、甲殻類を意識するなら赤・オレンジ系を使い分けるのがおすすめです。
フォールスライダーは、ただカバーに入れるだけのワームではありません。
通常付けと逆付けを使い分けることで、「奥へ滑らせる」「縦に見せる」「短い距離で誘う」という複数のアプローチができます。
カバー撃ちの引き出しを増やしたい人や、バックスライドワームをもっと実戦的に使い込みたい人にとって、フォールスライダーは試す価値の高いソフトベイトです。



