シマノのバンタム「パブロシャッド59SP (Pavlo Shad 59SP)」は、シャッドルアーに造詣が深い山木一人プロが監修したバンタムシリーズのシャッドルアーです。
昨年の第8回オカッパリオールスタークラシックでは、山木一人プロがこのパブロシャッドで西湖のモンスターバスを釣り上げ、5本で7kgを超えるスーパーウエイトを叩き出して優勝。
その恐るべき実釣能力はすでに実証されています。
山木一人プロ曰く、パブロシャッドに求めたのは、
- 大人気ルアー「ソウルシャッド」のような高速巻き時の直線性能に加え、
- 「スーパースレッジ」のようなダート性能
を両立させることだそうです。
一般的に考えれば、高速リトリーブ時の安定性を高めれば高めるほどルアーの重心を低くする必要があるため、ルアーのバランスを崩してアクションさせるダート性能を犠牲にせざるを得ません。
逆に、重心を高い位置に置いてダート性能に特化させると、今度はバランスを崩しやすくなるため、直線での安定性を失ってしまいます。
つまり、この2つの性能の両立は実現不可能だということです。
しかし、このパブロシャッドは、これまで不可能だと考えられてきたこの2つの要素を両立し、さらに飛距離性能も抜群。
製品ごとのムラもなく、トゥルーチューンをしなくても箱から出してすぐに使えるプラグに仕上げているとのこと。
今回は、シマノのシャッドプラグ、バンタム「パブロシャッド」の使い方と特徴を解説していきます。
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バンタム「パブロシャッド59SP」の使い方と特徴
ジャークアシストバランサー
前述した通り、パブロシャッドは安定した高速巻き、ダートアクション、そして飛び上がることのない安定性の高いボトムコンタクトをひとつのルアーで実現したルアーです。
これらの要素を実現させているのが、独自の機構ジャークアシストバランサーです。
パブロシャッドが採用するこのジャークアシストバランサーとは、リトリーブ時にはウエイトが泳ぎを安定させる低重心位置にあり、ひとたびロッドアクションを加えると、ウエイトが縦方向に動いて背中側に移動。
これによってルアーの重心が高くなり、ボディバランスを崩しやすくなるので綺麗にダートアクションを演出してくれるというものです。
簡単に言えば、高速巻きやボトムコンタクト時には低重心で安定したアクションを実現。
しかし、ロッドアクションを加えると自動で重心が代わり、ダートに特化したルアーへと様変わりしてくれるということです。
なんとも魔法のような機構。
このように、安定性とイレギュラー性を見事に両立にしたパブロシャッドは、これまで高速巻き用のシャッド、ダート用のシャッドというように場面によっていちいちルアーを使い分けていたところを、ひとつのルアーでこなしてくれるありがたいルアーとなっています。
パブロシャッドなら、ルアーを付け替える手間もないし、1リトリーブの中に高速巻きとダートを複合させるという、これまで不可能だった複雑な複合アクションさえも可能にさせてくれるのです。
パブロシャッドのアクション特性
ここからは、パブロシャッドのアクションの特性について細かく見てみましょう。
まず、パブロシャッドのアクションはロール重視のハイピッチ系です。
強すぎないアクションなのでスレにくく、フィールドもシーズンも問わずオールマイティに使えるアクションです。
また、パブロシャッドのメインウェイトはマグネット固定の重心移動を採用しているので、シャッドプラグながら抜群の飛距離を稼ぐことができるのも大きなアドバンテージです。
タイトウォブルで快適な高速巻き
パブロシャッドは、高速巻きでの使用を前提としたリップ・ボディのサイズと形状など、ルアーバランスにこだわって設計されています。
そのため、巻き抵抗の少ないタイトウォブルアクションは、高速巻きでも安定したバランスを実現。
また、メインウェイトがマグネット固定式の重心移動のため、高速巻きでもウエイトが外れずに耐えてくれます。
高次元のダートアクション
パブロシャッドはダートアクションも高次元で実現。
上述したように、ロッドワークを与えると瞬時にウエイトが高重心に移動し、イレギュラーなダートアクションを演出。
ここぞという喰わせのタイミングでのワンアクションを可能にしてくれます。
岩を舐めるようなボトムアクション
パブロシャッドは、障害物にコンタクトしても跳ね上がらず、舐めるようなアクションを実現。
水中でのボトム変化も仔細に感じ取ることができるため、ルアーアクションもイメージしやすいです。
また、障害物から離れずにコンタクトさせ、ステイさせたり、その場でのトゥイッチなど、点での誘いができるため、ワーミングのようなスローでピンポイントの釣りをも可能にしています。
パブロシャッドはトゥルーチューン要らず
シャッドプラグというルアーは、ボディに対してリップが大きい構造上、とてもバランスを崩しやすいデリケートなルアーです。
そのため、市販のシャッドプラグの場合、製造工程でのムラがどうしても発生してしまい、箱から出して真っ直ぐ泳ぐものは少ないです。
そこで、新品のプラグでも、使用前に泳ぎを確認して、必ずトゥルーチューンを必要としていたのは多くのアングラーの暗黙知でもありました。
ところが、パブロシャッドは、箱出しの状態からトゥルーチューンをしなくてもまっすぐ泳ぐことにこだわって作られているため、シャッドプラグの常識を覆すトゥルーチューン要らずな製品となっているのです。
この調整のために、パブロシャッドは発売時期が大幅に遅れてしまったとのことですが、よく釣れるのは、ここまでこだわった完成度の高いルアーだからこそでしょう。
バンタム「パブロシャッド59SP」のスペック
パブロシャッドのラインナップは、最大潜行深度が約1.7mのパブロシャッド59SPと、最大潜行深度が約2.7mのパブロシャッド59SP MRの2タイプです。
狙うポイントのレンジに合わせて使い分けができます。
名称 | サイズ | 重量 | タイプ | 潜行深度 | 価格 |
---|---|---|---|---|---|
Pavlo Shad 59SP | 59mm | 6g | サスペンド | 1.7m | 1,650円 |
Pavlo Shad 59SP MR | 59mm | 6g | サスペンド | 2.7m | 1,650円 |
カラーバリエーション
パブロシャッドのカラーバリエーションは、全20色。
ファーストラインナップからかなり豊富なカラーバリエーションとなっているのが嬉しいです。
- フラッシュワカサギ
- ゴーストワカサギ
- オイカワ
- モロコ
- マットアユ
- シャンパンブラウン
- モエビ
- イブシギン
- アイスブルー
- ヨシノボリ
- フダンウグイ
- クロキン
- コットンキャンディ
- ライムチャート
- プロブルー
- パーチ
- チャートホワイト
- ブルーチャート
- ホワイトシャッド
- クリアレッドタイガー
バンタム「パブロシャッド」のまとめ
シマノのバンタム「パブロシャッド59SP (Pavlo Shad 59SP)」は、独自の機構ジャークアシストバランサーの搭載により、安定した高速巻き、ダートアクション、そして飛び上がることのない安定性の高いボトムコンタクトをひとつのルアーで実現したルアーです。
また、パブロシャッドはメインウェイトにマグネット固定の重心移動を採用しているので、飛距離も抜群。
高速巻きからダートアクション、ワーミングのような点の釣りまで可能な対応幅の広さで、ひとつ持っていればこれだけで一日楽しく釣り歩けてしまうルアーと言えるかもしれません。
さらに、これまでのシャッドプラグでは不可能だった、高速巻きからの連続ジャークや、ボトムで止めてからトゥイッチで誘うという、複雑な複合アクションも可能にしており、シャッドの可能性を広げてくれるルアーです。