本記事では、ペイフォワード「V3ミノー」のインプレと使い方やタックルなどを解説していきます。
ペイフォワード5つ目のルアーとなるV3ミノー。
その名の通り、北大祐プロが第33回Basser Allstar ClassicでV3を決めた時のウイニングルアーとなったルアーです。
このクラシックは、3月の早春という季節に霞ヶ浦・北浦で開催され、ワカサギやシラウオなどのシャイナー系ベイトフィッシュをフィーディングするバスを狙った、浅いレンジを泳ぐミノーがウイニングパターンとなりました。
小型のミノーは世の中に多くありますが、北さんがトーナメントで使いたかったレンジで使えるミノーは存在しなかったと言います。
そこで、トーナメントで勝つために突貫で3Dプリンターを使って作ったルアーがV3ミノーの原型となったものです。
そこから製品用のブラッシュアップを経て完成したV3ミノー。
そんなV3ミノーを実際に使ってみたインプレをはじめ、使い方やタックルについて解説していきます。
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V3ミノーのインプレ
ペイフォワードのV3ミノーは、一見すると普通の小型ミノーですが、実際には普通のミノーにはない大きな特徴をいくつも備えています。
特徴
潜りすぎないミノー
今ある多くのミノーは、潜行レンジが1.5mはあるサスペンドタイプのものがほとんどです。
一方で、V3ミノーの潜行レンジは非常に浅い約70cm。
さらに、フローティング設計なので、浅いレンジをキープしやすいのが特徴です。
バスの目線が上を向いている場合や、中層にサスペンドしているバスに対して、丁度良いレンジを巻いて来ることが出来ます。
動きすぎないミノー
市場に出回っている多くのミノーは、高レスポンスでピリピリしたハイピッチアクションのものが多くあります。
このようなアクションは確かに釣れますが、バスに記憶されやすく、釣り続けることが難しくなります。
V3ミノーのアクションは、ウネウネとしたアクション。
バスに見切られにくいので、他の小型ミノーでは食い切らない場合でもバイトさせる力があります。
音で誘えるミノー
写真のように、V3ミノーにはガラスの小さなラトルが2つ内蔵されています。(わかりやすいように上下逆向きに撮影しています。)
このガラスラトルからチリチリという音が鳴り、バスに興味を持たせて寄せてくることが出来ます。
水中ではルアー自体の波動よりも音のほうが魚に伝わりやすいので、この音によるアピールによって、障害物に潜んでいるバスを引っ張り出したり、下の層にいるバスを浮かせてくることができます。
外観・デザイン
ここでは、V3ミノーの外観やデザインを紹介していきます。
こちらがパッケージです。
全長72mm、重さ4.4g、潜行水深は約70cm、フローティングタイプです。
フックには、イチカワフィッシングのカマキリ84Sが使用されています。
ルアー外観。カラーは生シラウオです。
ヘッド部分です。
アイはラウンドタイプのスプリットリング仕様です。
真横から見るとこんな感じで、重心移動設計であることがわかります。
ちなみに、ウエイトとなっているのは、先程紹介した2つのガラスラトルです。
背中には「V3minnow F」のロゴ。
お腹にはフックサイズが記載されています。
上から見ると、ボディーがややコロンと丸みを帯びているのがわかります。
こちらが真正面から見たところです。
リップが丸みを帯びたひし形のような、特徴的な形をしているのもわかります。
見るからに釣れそうな顔立ちをしていますね。
V3ミノーの使い方
アクション
V3ミノーのアクションは、ピッチを刻まないフワフワヌメヌメしたアクション。
北さんが言うには、小学生の頃によくやった、鉛筆を軽く指で持って振った時に、曲がって見えるような、あんな感じのアクションだと言います。
直線的な物体の鉛筆なのに、柔らかく曲がっているように見えるあの現象のように、V3ミノーもまるで生きているシラウオのようにクネクネうねるようなアクションをしてくれます。
タダ巻き
V3ミノーが最も力を発揮するのはタダ巻きです。
巻きスピードは、デッドスローからミディアムリトリーブ程度の速さが最適。
デッドスローで巻いた場合は、i字形ルアーのような感覚で巻いてくることが可能です。
トゥイッチやストップ&ゴーにも対応
V3ミノーはタダ巻きの他にも、ストップ&ゴーや、トゥイッチ、ポンプリトリーブなど、様々な使い方に対応可能です。
特に、フローティング設計を生かしたストップ&ゴーは、ストップ時にルアーを浮かせて食わせる事ができます。
また、ポーズ時間を上手く入れることで、より浅いレンジをコントロールして通してくることも可能です。
春の使い方
V3ミノーが最も活躍する季節は春。
早春の定番ルアーと言えばシャッドプラグですが、シャッドの場合は1.5mは潜るものが多くあり、シャローではボトムを叩いたり、刺さってしまうこともあります。
ボトムを叩くルアーの場合は、バスがゴリ系のベイトを意識している場合や、ボトム付近の障害物に付いているときなどには効果的です。
しかし、プリスポーンのバスは中層にサスペンドすることが多くあります。
そんな中層に浮いているバスを狙う場合は、ボトムよりもバスの目線の上を通してあげたほうが効果的。
そこで、潜行深度約70cmの浅いレンジを巻けるV3ミノーを巻いて通してあげると、この時期のバスにとても良く効きます。
また、この季節のバスに対しては、イレギュラーな動きは一切入れずに、とにかく一定の速度でウネウネ巻いてくるのが大切です。
ちなみに、春のV3ミノーの使い方に関しては、バサー2022年5月号の北大祐さんのコラムでも解説されています。
このコラムでは、V3ミノーの紹介を含め、プリスポーンのメスのバスをi字系ルアーで狙う際のポイントが解説されています。
i字系ルアーのように使えるV3ミノー
春にサスペンドしているバスを狙うのに効果的な代表的ルアーといえば、i字系ルアーがあります。
i字形ルアーは、引き感がほとんどないので、ある程度経験を積んだ人でないと使いこなせないところもあります。
また、ルアーの背中にマーカーを貼って、バスのバイトに対して目視で合わせるなどの技術も必要になる場合もあります。
V3ミノーは、通常のi字系ルアーよりも動き、かつ、ある程度は潜るルアーではありますが、i字形ルアーと同じ状況で、同じように巻いてこれるルアーでもあります。
さらに、V3ミノーの良いところは、しっかりと巻き感が手に伝わってくるので、ルアーのアクションを想像しやすく、また、バスのバイトがあった時にわかりやすいです。
なので、i字形に慣れていない方や苦手な方、さらに初心者の方が、i字形ルアーの代わりにとても使いやすいルアーとも言えます。
秋の巻き物パターンでも
V3ミノーは、春だけでなく、秋の巻き物の季節にも最適なルアー。
秋の使い方のポイントは、トゥイッチなどのイレギュラーな動きではなく、一定のリズムで巻き続けることです。
巻いていく中で、スピードやレンジ、通すコースを変えて反応を探る使い方です。
もちろん、春や秋に限らず、V3ミノーは表層のベイトフィッシュを捕食しているバスに対して、1年を通して使うことが出来るルアーです。
V3ミノーのタックル
ロッド | WSS-G62L(レジットデザイン) |
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リール | イグジストFC LT 2500S-C(ダイワ) |
ライン | PE-EGI ULT HS4 0.7号(サンライン) |
リーダー | トルネード 松田スペシャル競技 ブラックストリーム 1.75号(サンライン) |
フック | カマキリトレブル84S #8(イチカワフィッシング) |
北大祐さんが第33回Basser Allstar ClassicでV3ミノーを使っていた時のタックルです。
グラスロッドを使うことで、浅いバイトでも絡め取るように掛けることができるようになります。
また、ハードボトムに当たった場合でも跳ねずに、なめるような繊細なコンタクトが可能になります。
ラインは飛距離が出るPEが最適ですが、オカッパリなどタックルが限られている場合はフロロでも普通に扱えるルアーだと思いました。
V3ミノー概要
スペックとフックサイズ
サイズ | 72mm |
---|---|
タイプ | フローティング |
重さ | 4.4g |
フックサイズ | カマキリ84S #8 |
定価 | 1,600円(税抜) |
発売日 | 2022年3月 |
V3ミノーのフックサイズは、イチカワフィッシング「カマキリ84S #8」です。
ルアーのボディにもフックサイズが記載されているのでわかりやすいですね。
また、V3ミノーの重さは4.4gの設計となっていますが、実測では4.3gちょっとでした。
カラーラインナップ
全10色(2022年3月発売時)
- #003 マジックチャート
- #005 ホワイトベース
- #006 ゴーストシャッド
- #007 シャンパンキンクロ
- #030 ピンキーワカサギ
- #034 生シラウオ
- #035 ウイニングシラウオ
- #037 ライブワカサギ
- #038 ライムアユ
- #039 スポーンレッド
V3ミノー解説動画
北大祐さん本人によるV3ミノーの特徴や使い方の解説動画です。
まとめ
ペイフォワード「V3ミノー」のインプレと使い方を紹介してきました。
V3ミノーは、バスに記憶されにくいウネウネとしたアクションで、浅いレンジをただ巻いてくるだけで釣れるルアーです。
トゥイッチやストップ&ゴーにも対応できるため、汎用性の高さもあります。
春先には絶大な威力を発揮しますが、季節に限らず、表層付近のベイトフィッシュをバスが捕食しているときや、中層にいるバスの目線が上を向いている時に投入していきたいルアーです。
また、北さんがバサーオールスタークラシックでV3を達成したことから名付けられたこともあり、そのエピソードをバサーで読んでみるとかなり楽しめます。
バサーのバックナンバーはKindle Unlimitedで読み放題なので、気になる方は、ぜひ合わせて読んでみてはいかがでしょうか。
Kindle Unlimitedについては、下記の記事でも詳しくご紹介しています。