つり人社より、『Basser(バサー)2025年12月号』(2025年10月24日発売)が発売されました。
今号の特集テーマは、ズバリ「魚探(魚群探知機)」。
ここ数年で急速に普及した「ライブスコープ(ライブソナー)」をはじめとするハイテク機器。
これらがバスフィッシングにもたらした影響は計り知れません。
しかし今号は、単なる最新機種のカタログや機能解説ではありません。
アングラー一人ひとりが「魚探とどう向き合うべきか(距離感)」に焦点を当てた、非常に読み応えのある内容となっています。
今回は、その見どころを詳しく紹介します。

タップできる目次
特集:魚探との付き合い方を考える

目の前にある”自然”を見るのではなく、”デジタルな画面”を凝視するライブスコープの釣りに対しては、肯定的な意見もあれば、違和感を覚える人もいるはずです。
今号では、トッププロから個性派アングラーまで、それぞれのスタンスが深掘りされています。
1. ライブスコープ最前線の「リアル」

まずは、最新機器を駆使するトーナメンターの視点。
鬼形毅プロ × 早野剛史プロの対談では、ライブスコープのメリット・デメリットが語られています。
単に「釣れる道具」としてだけでなく、これからのバスフィッシングにどのような影響を与えるのか、最前線で戦う彼らだからこその言葉は必読です。
2. あえて「デジタル」に頼らない選択

一方で、魚探に依存しすぎないスタイルも紹介されています。
川島勉プロの記事「五感六感で釣りたい」では、房総の亀山湖を舞台に、自身の感覚を研ぎ澄ます釣りの魅力が語られています。
画面上の情報ではなく、水の色、風、気配を感じて魚を探す。そんなアナログな釣りの楽しさを再確認させてくれます。
3. ルアーそのものを「魚探」にする

個人的に非常に興味深かったのが、馬場拓也プロの「僕の魚探はナカタジグ」。
高価な電子機器ではなく、ルアー(ジグ)がボトムに触れる感触をセンサーとして利用し、湖底の変化を探る。
オカッパリアングラーや、レンタルボートで魚探を持たない人にとっても、すぐに真似できる「ボトム探査の極意」が詰まっています。
4. ハイブリッドな思考法

草深幸範プロによる従来の2D・サイド・360°魚探の使い分けや、折金一樹プロの「シューティング以外でのライブスコープ活用術」、そして、山口敦プロの「ライブスコープを使ってオールドスクールな釣りをする」など、最新技術を適材適所で使うためのノウハウも充実しています。
注目記事:藤田京弥「伝説の途中」

特集と同じくらい熱量を感じたのが、今号の表紙にもなっている藤田京弥プロの記事「伝説の途中」です。
B.A.S.S.バスマスターエリートシリーズという世界最高峰の舞台で、彼が何を感じ、どう戦っているのか。
今号では、単なるトーナメントレポートの枠を超え、彼の「強さの根源」に迫る内容となっています。
異国の地でのプレッシャー、未知のフィールドへの適応、そして世界の強豪たちと渡り合うためのメンタルと技術。
「天才」と称される彼ですが、その裏にあるのは圧倒的な探究心と、バスフィッシングに対する純粋かつストイックな姿勢であることが伝わってきます。
日本のアングラーとして、彼の現在地を知ることができるこの連載は、読むだけでモチベーションが上がります。
注目連載:田辺哲男のLimit 1

毎回楽しみにしている読者も多い人気企画「Limit 1(リミットワン)」。
今回は田辺哲男プロ vs 江口俊介プロの対決です。
「たった1尾の重量」で勝負が決まるこの企画。
江口プロがどのような戦略でレジェンド田辺プロに挑むのか、YouTubeでは対戦の動画が公開されていますが、より詳しく解説された誌面を合わせて読んでいくとより楽しめます。
実際のヒットルアーの写真や、タックルの詳細を知りたい方はぜひ紙面で確認してください。

その他の主な掲載コンテンツ
その他にも、読み応えのある記事が満載です。
Basser 2025年12月号の目次
- 018 モノの舞台裏
- 020 チャック・ヘドン×ヒロ内藤 日本のアングラーへ会いに行く
- 024 藤田京弥 伝説の途中
- 034 特集 魚探との付き合い方を考える
- 036 ライブスコープについて思うこと | 鬼形毅×早野剛史
- 042 2D・サイド・360°の活用法 | 草深幸範
- 048 五感六感で釣りたい | 川島勉
- 050 僕の魚探はナカタジグ | 馬場拓也
- 052 魚探の歴史
- 054 ライブスコープを使ってオールドスクールな釣りをする | 山口敦
- 058 ハーツマリン 愛と責任感の魚探コンシェルジュ | 髙橋透
- 062 ローランス魚探の琵琶湖攻略実践入門 | 北方洋介
- 066 アンケート 332名の魚探事情
- 070 アナログ編集部員がライブソナー&GPS搭載エレキを使ってみた
- 074 シューティング以外で活用するライブスコープ | 折金一樹
- 078 Only Flippin’ | 馬路久史
- 084 己に傾け
- 090 田辺哲男のLimit1 vs 江口俊介
- 100 B.A.S.S.ELITE SERIES
- 110 MLF
- 114 MLF JAPAN
- 116 W.B.S.
- 118 センドウタカシの古今東西私が愛したルアーたち
- 120 FUKASHIN STANDARD
- 122 新訳 バスフィッシング教書
- 124 生分解性ルアーから見える未来
- 126 房総HOTSPOT
- 130 トップウォーター春夏秋冬
- 134 Basserオールスタークラシック2025観戦ガイド
- 138 The Japan Original
- 140 NPOミズベ新聞
- 142 小森の小部屋
- 144 Behind Story 世界一のクランクベイトができるまで
- 145 バサー図書室
- 145 日釣振ニュース
- 146 編集後記
まとめ:自分のスタイルを見つめ直すきっかけに

今号のBasserは、「最新魚探を買おうか迷っている人」はもちろん、「魚探情報に振り回されて釣りが楽しくなくなっている人」にもぜひ読んでほしい一冊です。
- 最新技術をフル活用して魚を追い詰めるのか
- 五感を頼りに魚との出会いを楽しむのか
- あるいは、その両方をバランスよく取り入れるのか
自分のバスフィッシングにおける「楽しみ方のスタイル」を、改めて考えさせられる内容でした。
秋の夜長に、じっくりと読み込んでみてはいかがでしょうか。








